林原めぐみ、故・本田美奈子さんへの思い吐露 新作アニメ主題歌で楽曲カバー
12日、秋葉原のアキバシアターで映画『マルドゥック・スクランブル/排気』の完成披露試写会が行われ、ヒロインのルーン=バロットの声優を務める林原めぐみが登壇、歌手の本田美奈子さんへの思いを吐露した。この日はほかに、原作者の冲方丁、工藤進監督も登壇した。
映画『マルドゥック・スクランブル/排気』完成披露試写会写真ギャラリー
近年、岡田准一と宮崎あおいの共演により映画化された2010年本屋大賞受賞作「天地明察」や、新たなアプローチで水戸光圀を描く「光圀伝」など時代小説で知られる冲方だが、SF作家としても高く評価されている。そんな彼が、第24回日本SF大賞を受賞した小説「マルドゥック・スクランブル」を自身の脚本でアニメ化したシリーズ3部作が、本作をもって完結となる。
ルーン=バロットという役について「(この役をやるために)これまでキャリアを積んでいて良かったなと思いました」という林原は、「周りに流されることなく、わたしがしたいことはこれなんだという気持ちでこの業界をわたってきました。そんなわたしが、芯が強くてまわりに翻弄(ほんろう)されないこの子の声を担当できて、良かったなと思っています」と力強く振り返る。
これまでシリーズ1作目では「アメイジング・グレイス for Balot」、2作目には「アヴェ・マリア for Balot」と、2005年に急逝した歌手の本田美奈子さんの歌う楽曲が主題歌に起用されてきたが、今回の最終章では、本田さんの「つばさ」を林原がカバーした曲が主題歌に起用されている。本作のアフレコを終えたときに、スタッフから主題歌を歌ってほしいというリクエストがあったという林原だったが、「この作品では、本田美奈子さんというすてきな歌手に支え続けていただいた方がいいんじゃないかとか、いろいろな思いがあった」と正直な思いを吐露。
しかし冲方から言われた「命のバトンタッチをしてほしい」という言葉に迷いがとれた、と述懐する林原は「この曲を歌うことで、本田さんというすてきな歌手がいたんだと伝えたい。そういう意味では、わたしが歌うことに1ミリの迷いもありません」と誇らしげに語った。(取材・文:壬生智裕)
映画『マルドゥック・スクランブル/排気』は9月29日より全国公開