前川清、次回作は前川清役で出演?
第25回東京国際映画祭
22日、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われた第25回東京国際映画祭特別招待作品『旅の贈りもの 明日へ』舞台あいさつで、本作で映画初主演となる前川清とメガホンを取った前田哲監督が、撮影中のエピソードなどについて、和気あいあいと語った。
前川清出席!映画『旅の贈りもの 明日へ』第25回東京国際映画祭舞台あいさつフォトギャラリー
本作は、定年退職を迎えた男(前川)が、42年前、初恋の女性とやり取りしていた絵手紙をきっかけに、思い出の地・福井へ、「人生の忘れもの」を探す旅に出掛けるヒューマンドラマ。今回、映画初主演となる前川は、先日の第25回東京国際映画祭オープニングでグリーンカーペットを歩いたばかり。
そのときの感想を聞かれた前川は、「そもそも『グリーンカーペット』があること自体知らなかった」と見事なつかみで会場を笑わせる。「でも、あの広い所を歩けて、新鮮さとうれしさと照れくささで、いい思い出になりました」とはにかみながら答えた。
一方、前田監督は、撮影を振り返り、「福井での撮影中も、地元の方がたくさん見学に来られるんですよ。その方々に対して、前川さんが丁寧に応じられている姿に感動しました」といいつつも、「撮影そっちのけでね!」と付け加え、会場の笑いを誘った。そして、もし次回作があるとしたら、「前川さんが『前川清』役でぜひ」と続けると、会場からは拍手が。「前川さんは、普段すごく面白い人。前川さんそのままの方が存在感がある」とベタ褒めした。
最後に前田監督は、「この物語は、『喪失の物語』としても作っています。喪失の気持ちを抱えたまま60歳を迎えた男が、それに向き合う側面がある。それをあからさまに出すのではなく、物語の中に織り交ぜた」と明かした。「悲しみは薄れていくのではなく、あるときふと押し寄せてくるもの。本作が少しでも光になればいいなと思って作りました」と語ると、会場は温かい拍手に包まれた。(取材・文:尾針菜穂子)
映画『旅の贈りもの 明日へ』は福井にて先行上映中、10月27日より新宿武蔵野館ほかにて全国公開