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アカデミー賞受賞には性格の良さも必要か…キレやすい性格ゆえに受賞を逃してきた監督は誰?

第85回アカデミー賞

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少しは丸くなった?-デヴィッド・O・ラッセル監督
少しは丸くなった?-デヴィッド・O・ラッセル監督 - John Sciulli / Getty Images

 第83回アカデミー賞で6部門にノミネートされた映画『ザ・ファイター』が作品賞、監督賞を受賞できなかった一因に、メガホンを取ったデヴィッド・O・ラッセル監督のキレやすい性格があるといわれている。

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 映画『世界にひとつのプレイブック』で再びアカデミー賞にノミネートされるのでは? といわれているラッセル監督。デビュー当時はトラブルメーカーの異名を取り、スタッフはもちろん、俳優ともいざこざを起こすことで知られていた。映画『スリー・キングス』では主演のジョージ・クルーニーにブチ切れた揚げ句、首を絞めようとしたという逸話まで残っている。

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 アカデミー賞受賞者を決める際には、「映画界への貢献度」や「作品の芸術性」が重要視されるというのは周知の通りだが、実は候補者の好感度そのものも受賞を左右するカギとなっている。トップレベルのアーティストや作品がしのぎを削るアカデミー賞レースで接戦になったとき、才能があって人好きのする候補者Aに投票するか、優秀だけど人を怒鳴りつけることで有名な候補者Bに投票するかといったら……。アカデミー賞も結局は生身の人間が決めるものなのだ。

 しかし、今年のラッセル監督は一味違っている。アカデミー賞の行方を探る上で参考になる映画賞の一つとされているナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で、ブラッドリー・クーパーが主演男優賞を受賞し、さらには脚色賞まで受賞したのだ。映画賞の受賞が多ければ多いほど、アカデミー賞受賞への強力なPRになることは容易に想像できるが、ラッセル監督の場合、映画賞にも増してプラスだったのは、同作品に出演している人気若手女優ジェニファー・ローレンスが、ラッセル監督をベタボメしたという報道だった。

 ジェニファーは、ラッセル監督の人柄を「世界一ステキで楽しくて優しくて、すごい天才」などと絶賛したのだ。今年54歳になったラッセル監督。一昔前だったら、ジェニファーのようにラッセル監督を形容する人はいなかった。近年、製作関係者からも、ラッセル監督について、「人柄が丸くなってきた」という証言がチラホラ聞かれる。アメリカ大統領選挙に例えられがちなアカデミー賞レースだが、ラッセル監督も感情をコントロールし、“有権者”の間でうまく立ち回れば、今度こそ念願のオスカー像を手にすることができるかもしれない。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)

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