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『ゼロ・ダーク・サーティ』パキスタンで上映見送り 海賊版DVDに人気集まる

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『ゼロ・ダーク・サーティ』
『ゼロ・ダーク・サーティ』 - Jonathan Olley (C) 2012 CTMG. All rights reserved

 作品賞や主演女優賞などオスカー5部門にノミネートされているキャスリン・ビグロー監督の映画『ゼロ・ダーク・サーティ』が、パキスタンでは上映を見送られたとTelegraphなど複数媒体が伝えた。

映画『ゼロ・ダーク・サーティ』写真ギャラリー

 本作では、オサマ・ビンラディンが潜伏していたとされる、パキスタンのアボッターバードという町で、彼が射殺されるまでのCIAの作戦の裏側が描かれる。

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 アボッターバードは、パキスタン軍士官学校や、その他の軍事施設が多く集まる町である。それにもかかわらず、目と鼻の先で行われた米軍の襲撃に事が起こるまで気付かず、さらには世界中が行方を探していたビンラディンの潜伏を暴けなかったことは、パキスタン軍にとり大いに恥ずべき出来事であったとのことだ。

 一方では、パキスタン軍はビンラディンをかくまっていた可能性が映画の中で示唆されており、パキスタンにとっては、多くの微妙な問題をはらんだ映画であるようだ。

 パキスタン国内の大手興行チェーン、シネパックスの担当者はBBCの取材に対し、「映画では、パキスタンに関連した、論議を巻き起こしそうな場面がいくつか登場します。この映画をここで上映するのは無理です。ビジネスにとってはマイナスですが、上映より安全を選びました」とコメント。

 以前に、シネパックスが配給した、ビンラディンが題材のコメディータッチのインド映画『テレ・ビンラディン(原題) / Tere Bin Laden』が上映された際、映倫から大幅なカットが要求され結局上映に至らなかったことも、今回『ゼロ・ダーク・サーティ』の上映を見送った理由の一つだという。

 しかし、『ゼロ・ダーク・サーティ』の海賊版DVDが出回っており、首都のイスラマバードは大人気の売れ行きだという。(鯨岡孝子)

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