主演女優賞候補の辛口ギャグに賛否
第85回アカデミー賞
映画『世界にひとつのプレイブック』で第85回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされているジェニファー・ローレンスが、テレビの人気バラエティー番組「サタデー・ナイト・ライブ」で他の候補を揶揄(やゆ)する辛口ギャグを披露し、論争を巻き起こした。
ホットなセレブが週代わりでホストを務める同番組。冒頭には、モノローグというホストが自己紹介がてら面白おかしい話をするコーナーがある。ジェニファーのモノローグは、主演女優賞にノミネートされたジェニファー以外の4名の女優たちに、挑戦的なメッセージを送るという主旨のギャグだった。「ジェシカ・チャスティン? わたしが見張っている限り、オスカー受賞は無理ね」「ナオミ(・ワッツ)は『インポッシブル』(「不可能」の意)に主演したけど、彼女がわたしをアカデミー賞で負かすことこそインポッシブルね!」と続けざまに語ったジェニファー。
映画『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』で歴代最年少主演女優賞候補となった9歳の少女クヮヴェンジャネ・ウォレスに対しては、彼女のファースト・ネームが長いことをちゃかし、「アルファベットたちが言っていたわ。アルファベットの使いすぎだから返してよって!」と一蹴。さらに極め付けは、映画『愛、アムール』で歴代最年長主演女優賞候補となったエマニュエル・リヴァへのメッセージ。ジェニファーは「85歳フランス人女性? まあ問題ないわね」と言い放ったのだ。
しかし、当然のことながら、全てのギャグは番組の構成作家が書いたもの。皮肉が売りの「サタデー・ナイト・ライブ」ならではのジョークだったのだが、視聴者からは「サイアク」という意見も。一方で、「ただのギャグなんだからいいじゃないか」という肯定派もおり、さまざまな意見がオンライン上を飛び交った。
アカデミー賞投票の締め切りは2月19日。まだ駆け出しの女優の部類に入るジェニファーが、この大胆なモノローグを演じたことによって、アカデミー会員たちの投じる主演女優賞票に多少なりとも変動が生じるのかどうかについては知るすべもないが、かなり興味深いところである。(文・ロス取材:明美・トスト / Akemi Tosto)