『アルゴ』、全米プロデューサー組合賞&全米映画俳優組合賞受賞でオスカーに猪突猛進!?
第85回アカデミー賞
ベン・アフレック監督の映画『アルゴ』が、全米プロデューサー組合賞作品賞、ならびに全米映画俳優組合賞で最高賞となるアンサンブル演技賞を受賞し、アカデミー賞レースの最前線に躍り出た。
全米プロデューサー組合賞、全米映画俳優組合賞を獲得した映画は、アカデミー賞作品賞も獲得する可能性が非常に高い。全米プロデューサー組合賞を例にとってみると、過去23年間のアカデミー賞作品賞受賞23作品のうち、16作品が全米プロデューサー組合賞作品賞の受賞作品で、ここ5年の受賞作品は全てがアカデミー賞作品賞も受賞している。この統計からも、『アルゴ』がアカデミー賞を受賞する確率が非常に高いことがわかる。
しかし残念ながら『アルゴ』は、アカデミー賞で作品賞にはノミネートされたものの、監督賞にはノミネートされておらず、これが関係者の心配のタネとなっている。アカデミー賞の歴史上、監督賞にノミネートされなかった作品が、作品賞を受賞したという例は非常に少なく、最新の例が『ドライビング Miss デイジー』(1989)というから、そのレア度はかなりのものである。
アカデミー賞予想で大フィーバー中のハリウッド映画評論家たちは、現在のところ大きく分けて『アルゴ』組と『リンカーン』組に分かれているようだ。しかし、アカデミー賞受賞監督であるアン・リーの最新作『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』、世界中の映画祭を席巻している『愛、アムール』といったダークホースもあり、『アルゴ』『リンカーン』も油断ができない状態。オスカーの行方は、授賞式でプレゼンターが封を切るまで、わからない。(文・ロス取材:明美・トスト / Akemi Tosto)