アカデミー賞授賞式のお楽しみ! 過去の名&迷スピーチを振り返る
第85回アカデミー賞
いよいよ25日(日本時間)、第85回アカデミー賞授賞式が開催される。受賞結果も気になるところだが、会場を沸かせるセレブたちのスピーチも見逃せない。そこで、過去の名&迷スピーチを振り返りたい。
昨年の名スピーチといえば『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で3度目のオスカー受賞を果たしたメリル・ストリープだ。「また彼女が取ったのか、って国民の半分が思っているでしょうね」と笑わせたあと、「わたしにとって一番大切なのは友情と愛です。そして映画を一緒に作れる真の喜びです」とその思いを披露して会場を感動の渦に包んだ。『チョコレート』で黒人初の主演女優賞に輝いたハル・ベリーのスピーチも語り継がれている。何人もの黒人女優の名を挙げ「やっと有色人種にも扉が開かれました」と喜び、「(第74回アカデミー賞であるため)ここまで来るのに74年間もかかった」と万感の思いを語った。
会場を盛り上げるのは感動的なスピーチばかりではない。『ディパーテッド』のマーティン・スコセッシ監督は「もう一度封筒の中を確認してもらえないか?」とジョークを飛ばし、監督賞を受賞できたうれしさを表した。『ミリオンダラー・ベイビー』で史上最高齢での監督賞となった当時74歳のクリント・イーストウッドは、「名誉賞の80歳のシドニー・ルメットに比べれば、わたしなんかまだまだヒヨッコです」とスピーチ。今やイーストウッドも82歳となり、現在も意欲的に作品を撮り続けている。『英国王のスピーチ』で主演男優賞を受賞したコリン・ファースは「これがキャリアのピークかな?」と自虐的な発言で笑わせながらも、「今にも踊り出しそう」と喜びを吐露。主人公のジョージ6世とは異なり、スマートにダンディーにスピーチを終えた。
感動スピーチ、ユーモアあふれるスピーチが会場を沸かせる一方、会場を困惑させる迷スピーチも。『ボウリング・フォー・コロンバイン』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を獲得したマイケル・ムーアは「ブッシュよ。恥を知れ!」と強烈なひと言。『17歳のカルテ』で助演女優賞を受賞したアンジェリーナ・ジョリーは、「兄を愛してる」と壇上でもエキセントリックな発言をしたことも。ほかにも、『戦場のピアニスト』で主演男優賞を飾ったエイドリアン・ブロディが、オスカー像を手渡したプレゼンターのハル・ベリーがのけぞるほどの濃厚なキスをするというハプニングもあった。
ときに時間オーバーのスピーチもあるものの、45秒という短い時間でいかに印象的なスピーチを披露できるかは、俳優や女優、監督たちの表現力の見せどころ。今年はどんな名&迷スピーチが飛び出すのか、授賞式が待ち遠しい。(岩永めぐみ)
「第85回アカデミー賞授賞式」は2月25日(月)午前9時よりWOWOWプライムにて生中継(夜9時よりリピート放送)