目指せマスターズ甲子園!野球未経験の中井貴一、人生初のノックに挑戦
直木賞作家・重松清の原作を中井貴一と波瑠の共演で映画化した『アゲイン』の撮影が埼玉県内の球場で行われ、中井や共演の柳葉敏郎らアラフィフの男たちが白球を追い掛けてグラウンドを駆けずり回った。
全国の元高校野球球児が世代や性別、甲子園出場の有無といったキャリアの壁を越えて出身校別にチームを結成し、再び甲子園を目指す大会「マスターズ甲子園」。本作は、夢破れたかつての高校球児たちが終わらぬ夢を追い求め、「マスターズ甲子園」に挑む姿を描き出す。
この日撮影されたのは、「マスターズ甲子園」地区予選の決勝戦という、映画でも重要なシーンの一つ。「僕は野球未経験者。本来、こういう役は野球経験者がやるべきだと思ったんですが、皆さんから説得をしていただきまして、52歳にして人生で初めてノックを受けました」と語る中井だったが、サードで堅実な守備を見せたり、バントを1発で決めたりと未経験者とは思えないプレーを披露。一方、ピッチャー役の柳葉はこの日は終始、ボールを投げ込んでいたが、「中年になって、新たな青春を迎えているという感じ。楽しんでやらせてもらっています」と笑顔を見せた。
とはいえ、アラフィフの二人にとって撮影はハードだったようで、中井も「ここでユニフォームを着ているメンバーは満身創痍(そうい)という言葉がピッタリ。この年にしてこんなハードなロケでいいのかなと思っておりますが、無事に生きて撮影を終えられるよう頑張りたい」と冗談交じりにコメント。そんな中井に「甲子園の始球式はどう?」という声も飛び出したが、柳葉が横から「俺、やったことあるけどすっげえ緊張するぞ~」とプレッシャーを掛けると、すかさず中井が「ご辞退いたします」と頭を下げ、周囲を笑いに包んだ。
この日は二人のほか、波瑠、和久井映見、西岡徳馬、大森寿美男監督も出席。中井ふんする坂町たちをマスターズ甲子園に誘う美枝を演じた波瑠は、「野球のシーンが始まって、自分の父親と同じくらいの年齢の役者さんたちがすごく頑張っているのを見て、毎日感動しております。ユニフォーム姿がまぶしいです」と笑顔で中井たちを称賛していた。(取材・文:壬生智裕)
映画『アゲイン』は2014年秋全国公開