受賞結果がバラけた今年のゴールデン・グローブ賞 アカデミー賞への影響は?
第71回ゴールデン・グローブ賞
1月12日(現地時間)に発表されたゴールデン・グローブ賞の授賞式のハイライトと共に、この後のアカデミー賞の動向を探る上でポイントになる各部門の結果を、改めて振り返ってみたい。
映画の部では、作品賞が『それでも夜は明ける』(ドラマ部門)、『アメリカン・ハッスル』(コメディー / ミュージカル部門)。共に最多ノミネートの作品が選ばれ、順当のようだが、『それでも夜は明ける』は作品賞のみという意外な結果。さらに、作品賞と直結しやすい監督賞が『ゼロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュアロンで、脚本賞が『her/世界でひとつの彼女』のスパイク・ジョーンズと、受賞作がバラけてしまった。これは一昨年と同じパターンで、この後のアカデミー賞でも、最後まで本命の作品賞をめぐってデッドヒートが続くことを予感させる。
映画の演技部門は、各女優賞が順当な結果。一方男優では、最も激戦といわれたドラマ部門の主演男優賞をマシュー・マコノヒー(『ダラス・バイヤーズクラブ』)が制し、場内の喝采を浴びた。ややサプライズだったのは、コメディー / ミュージカル部門の男優賞のレオナルド・ディカプリオ(『ウルフ・オブ・ウォールストリート』)。ここまでの前哨戦でも目立たなかった彼は、この受賞で今後のアカデミー賞への可能性をつないだ。過去にもアカデミー賞で不運を味わってきたディカプリオは、今回、ノミネート、そして受賞を勝ち取るだろうか。
テレビの部では、「ハウス・オブ・カード 野望の階段」など強力なライバルを抑えて、「ブレイキング・バッド」が作品賞と主演男優賞(ドラマ部門)の2冠。シーズン終了を受賞で飾った喜びが、授賞式で賞を受け取るプロデューサーから伝わってきた。そして授賞式を大いに沸かせたのは、ホストを務めたエイミー・ポーラーの女優賞(コメディー / ミュージカル)受賞の瞬間だ。名優ロバート・レッドフォードもネタにした過激トークで笑わせた彼女が、自身の受賞スピーチでは素直に喜びを表現し、会場から温かい拍手が送られた。
今回、惜しくも外国語映画賞を逃した『風立ちぬ』は、16日(現地時間)に発表されるアカデミー賞ノミネートに希望が持ち越された。(斉藤博昭)
第71回ゴールデン・グローブ賞のレッドカーペット・ショー&授賞式(字幕版)は、1月18日(土)8:00pmより海外ドラマチャンネルAXNにて放送