『ビフォア』シリーズ監督最新作は、大人になっていく少年を12年かけて撮影した意欲作!
第64回ベルリン国際映画祭
第64回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品されている映画『ボーイフッド(原題) / Boyhood』の会見が行われ、リチャード・リンクレイター監督、出演のパトリシア・アークエット、エラー・コルトレーン、ローレライ・リンクレイターなどが参加した。
リンクレイター監督作『ビフォア・ミッドナイト』フォトギャラリー
リンクレイター監督は、あるカップルの出会い、そしてそれから9年後、そのまた9年後の変遷を、実際にそれだけの歳月を経た俳優とキャラクターをリンクさせて見せた『恋人までの距離(ディスタンス)』『ビフォア・サンセット』『ビフォア・ミッドナイト』で知られる。本作は、その監督が、大人になっていく少年を12年かけて撮影した意欲作だ。
少年をエラー、彼の姉をローレライ、母親をパトリシア、たまに会う離婚した父親を『ビフォア』シリーズで主演しているイーサン・ホークが演じている。俳優陣のキャラクターたちへの愛着もひとしおだったようで、「『わたしのキャラクターは死んじゃうの?』って聞いたことがあるわ」と言う監督の実の娘であるローレライに、「『ハリー・ポッター』への心配みたいだね」とリンクレイター監督は笑った。
『ハリー・ポッター』シリーズ同様、画面の中でその成長を見せてくれるのは、何といっても撮影開始当時6歳だった主演のエラー。リンクレイター監督は「エラーはとてもクールで思慮深い男になった。違う映画になる可能性だってあったわけだから。大男のレスラーになっていたりしたら、その方向の映画になっただろう」と映画の方向性さえ、それぞれの成長によるものだったことを明かした。「エラーは自分の息子のような気がするよ」とリンクレイター監督はローレライに向ける目と変わらない目で立派に成長したエラーを見つめていた。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)
第64回ベルリン国際映画祭は現地時間16日まで開催