アカデミー賞短編アニメ賞、森田修平監督『九十九』は受賞逃す
第86回アカデミー賞
第86回アカデミー賞授賞式が現地時間2日、米ロサンゼルスで行われ、日本から短編アニメ映画賞にノミネートされていた森田修平監督の『九十九』は受賞を逃した。今年のアカデミー賞では、宮崎駿監督作『風立ちぬ』の長編アニメ映画賞候補入りと併せ、日本の作品が2本ノミネートされており、受賞の行方が注目されていたが、『ミスター・ハブロット(原題) / Mr. Hublot』が受賞を果たした。
本作は、昨年7月に日本公開されたオムニバス劇場アニメ『SHORT PEACE』の一編。18世紀の日本を舞台に、古い道具に魂が宿ったモノノケたちと人間の男の交流を、和風テイストあふれる美しい映像で描き出す。
日本映画の同部門ノミネートは、2009年の授賞式で賞を獲得した加藤久仁生監督作『つみきのいえ』以来5年ぶり。連続受賞が期待されていた『九十九』だが、今回は惜しくも獲得とはならなかった。『SHORT PEACE』からは昨年、大友克洋監督の『火要鎮』も1次審査通過を果たしたがノミネートは逃している。
監督は日清カップヌードルのCMと連動したアニメ「FREEDOM」で注目を浴びた森田修平。ノミネーション発表時、森田監督は「日本では短編作品はなかなか陽の目を見ることが難しく、制作も困難な状況の中、こうして『九十九』がノミネートされ注目される事をとても嬉しく思います」とコメントしていた。受賞は逃したものの、ノミネーション以来、本作は各所でそのクオリティーの高さが改めて報じられることになり、その思いは見事に結実したといえるだろう。(編集部・入倉功一)
第86回アカデミー賞授賞式は、WOWOWプライムにて生中継中(夜9時よりリピート放送)