芦田愛菜は「イチロータイプ」 行定勲監督が目じり下がりっぱなしで称賛
第6回沖縄国際映画祭
20日、第6回沖縄国際映画祭が沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターを中心に開幕し、コンペティションPeace部門出品作品『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』の舞台あいさつに主演の芦田愛菜と行定勲監督が登壇した。
二人そろって舞台に登場すると、行定監督の腰ほどの高さに見える芦田はその小ささとかわいらしさが際立ち、観客から温かな拍手で迎えられる。親子ほどの年齢・身長差の二人だが、行定監督は「愛菜ちゃんに断られたらこの映画はないと思っていた」「奇跡的に主人公も愛菜ちゃんも小学3年生。短い子どもの時期の、今しかない芦田愛菜をフィルムに収めたいと思った」と語り、まさに芦田あっての本作だったと言葉に力を込めた。
名子役として名高い芦田だが、監督は「天才なんですが、すごく努力をする人。台本を300回読むそうです」と明かし、劇場は驚きの声に包まれたが、芦田は「300回は読まないです」と笑顔で否定。だが行定監督は、芦田は台本をしっかり読み込みセリフを落とし込んで撮影に臨み、急な変更にも即座に対応するなど現場で高いプロ意識を発揮していたといい、「イチロータイプの才能の持ち主」と最大級の言葉でたたえた。
また、本作について芦田は「(自身が演じる)琴子(こっこ)ちゃんは周りにどこか違和感を持っているのですが、ある言葉を通じて友達や家族との関係が少しだけ変化します。どのように変化するかがこの映画の見どころです」と大人顔負けのコメント。これには後に続く監督も「愛菜ちゃんの言った通りです(笑)」と感心しきりで、芦田から誕生日にもらった絵を自宅に飾っているエピソードを明かすなど、終始芦田に対し目じりが下がったままの舞台あいさつとなった。
本作は、「さくら」や「きいろいゾウ」といった作品で知られる作家・西加奈子による同名小説の映画化作品。関西弁でほえるダークヒロイン・琴子(芦田)が生きる半径数キロメートルの世界を描く。(長谷川亮)
映画『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』は6月より全国公開
第6回沖縄国際映画祭は3月24日まで開催