“未婚のプロ”ジェーン・スー、アラサー女子の結婚観をぶった斬る
結婚に関する男女の価値観の差異などをリアルに見つめた映画『グッド・ストライプス』のアラサー女子約100人を招いたイベントが20日、都内で行われ、メガホンを取った岨手由貴子監督と「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」(通称:わたプロ)の著者で、自称“未婚のプロ”のジェーン・スーが出席。アラサー女子の結婚観をぶった斬りつつ、それぞれの結婚観について、毒舌を交えながら熱く語った。
本作は、交際4年で倦怠(けんたい)期を迎えたカップルが、妊娠というハプニングにより結婚の道を選ぶ姿を描いたラブストーリー。『森崎書店の日々』などの菊池亜希子とテレビドラマ「花子とアン」などの中島歩が夫婦を演じている。
岨手監督は、「脚本はまだ独身だった4年前に書いたもの。当時は『婚活』や『負け犬』といった言葉がはやり始めたころで、世間がいう結婚のイメージに対して『本当かな?』という疑問が湧いてきた。同時に、カップルの『おしゃれな暮らし公開』みたいな雑誌の特集を見て『うそつけ!』という思いもあり、そういったことへのアンチテーゼからこの作品が生まれた」と述懐。
これに対してジェーンは、「(主人公が)若い! と思った。何も心の準備ができてなくてグダグダでも、結婚していいんだね。人によっては、結婚と同時に急にメンタルがお母さんになり、夫にお父さんの自覚を強要する人もいるけど、そのほうがどこか不自然。ちょっと上の世代は『結婚はこうあるべき』という方が多いだけに、(主人公夫婦)2人の生き方は新鮮だった」と納得の表情を浮かべた。
また、昨今の婚活やお見合いブームについてジェーンは、「昔は誰かが積極的に世話をしてくれただけであって、今の時代は自発的に頑張らないと結婚できないのは普通だと思う」と指摘。さらに、結婚前にお互いを知るために同棲したほうがいいか? という問いに対しては、「とりあえず同棲してみたら、彼に結婚願望が生まれるかもしれないという甘い考えはやめたほうがいい」とキッパリ。最後は「親しい女友達にしないことは、付き合っている男性にも決してしないというルールさえ守れば、たいていは上手くいく」という自著の言葉で締めくくった。(取材:坂田正樹)
映画『グッド・ストライプス』は5月30日より新宿武蔵野館ほかにて全国公開