ニコラス・ホルトとクリステン・スチュワートのアップが多いのは「美しい顔だから」
第72回ベネチア国際映画祭
第72回ベネチア国際映画祭でコンペティション部門に出品されている映画『イコールズ(原題) / Equals』の会見が現地時間5日に行われ、主演のニコラス・ホルトとクリステン・スチュワート、そしてドレイク・ドレマス監督が出席した。ニコラスとクリステンのクローズアップショットが多い本作についてドレマス監督は「美しい顔をより近くで撮りたいというのはあるよね」と切り出し二人を笑わせると、『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』やドレマス監督作で知られる撮影監督ジョン・ガレセリアンの名前を挙げ、「彼は素晴らしい撮影監督。二人の間を動き回り、『このカットがほしい』『あのカットがほしい』というんじゃなくて、“瞬間”を探してカメラを自由に移動させていた」と撮影を振り返った。
ニコラス・ホルト&クリステン・スチュワートがベネチアに登場!フォトギャラリー
本作は、もはや感情が必要なくなり、人々が穏やかに安全な世界で暮らす近未来を舞台にしたSFラブストーリー。ニア(クリステン)のある一面を見たサイラス(ニコラス)に感情が生まれ、二人はやがて恋に落ちるものの社会はそれを許さず……。美しい近未来の建物のシーンなど、日本で撮影が行われた。
二人が恋をすると世界が色づき、音楽が高鳴り、そしてカメラも動き出す。ガレセリアンについてはクリステンも「最高の撮影監督とはダンスを踊っているような感じがする」と絶賛。「レンズの後ろのエネルギーというのはとてもとても大切で、波長が合わないとうまくいかない。ジョンのエネルギー、熱意、気配りというのは完璧だった。とても穏やかで……。(監督の方を見て)わたしたちは『ウアー!!!!!!!!』って感じでクレイジーなんだけど、あ、彼(ニコラス)はそうでもないけど」と身振り手振りを交えて続け、ニコラスをほほ笑ませた。
一方のニコラスは「ドレイクは自然で僕たちに自由をくれて、安心して演技ができる環境を作ってくれた。だから二人(クリステンと自分)の間に起きているのは本当のことなんだ」と監督の手腕について切り出すと、「こんなに親密な現場は今まで経験したことがなかった。20~30分の長いシーンがあったんだけど、とても穏やかで映画を作っているのを忘れるほど。それは僕たちにとって素晴らしい環境だった」と満足げに回顧。「ラストシーンで音楽が流れてくると感情的になりすぎてシーンに入っていけなかった。こんな経験は初めて」と明かした。
それに大きくうなずいていたクリステンも「『リラックスして。即興も入れつつ探していこう』という監督は多いんだけど、実際撮影に入ったら『あー時間がないからこのセリフを言ってくれる? はいOK!』みたいな人がほとんど。ドレイクはオーガニックな本当の経験を切り取っている。彼のプロセスには感服する。だから本作がこんなにも素晴らしいのよ」とスクリーン上の化学反応を生んだドレマス監督に感謝の言葉を贈っていた。(編集部・市川遥)
第72回ベネチア国際映画祭は現地時間12日まで開催