片岡愛之助、東京国際映画祭特別イベントで歌舞伎舞踊「雨の五郎」を披露
第28回東京国際映画祭
歌舞伎俳優の片岡愛之助が、昨年に続いて開催が決まった東京国際映画祭特別イベント「歌舞伎座スペシャルナイト」で、歌舞伎舞踊「雨の五郎」を披露することが明らかになりコメントを寄せた。
「歌舞伎座オールナイト」は、昨年映画祭の新たな試みとして実施され好評を博したイベント。第1回では、チャールズ・チャップリンの『街の灯』(1931)が上映、市川染五郎による歌舞伎舞踊「石橋」(しゃっきょう)が上演された。第2回となる今年は、黒澤明監督が歌舞伎演目の十八番である「勧進帳」を題材にした『虎の尾を踏む男達』(1945)をニュープリント、英語字幕付きで上映。愛之助の「雨の五郎」は本上映の前に上演される。
「雨の五郎」は、歌舞伎ならではのつややかな口説き、豪快な立ち回りなどの見せ場が盛り込まれた舞踊。「歌舞伎」の特徴の一つである隈取の化粧や、所作一つ一つが絵となる日本舞踊の美しさが目を引き、初心者から歌舞伎通まで、幅広い層が楽しめる演目となっている。(編集部・石井百合子)
<片岡愛之助コメント全文>※原文ママ
今回ご覧頂く、歌舞伎舞踊「雨の五郎」は、春雨の中、遊女・化粧坂少将(けわいざかのしょうしょう)の恋文を手に廓へ通う曽我五郎の色気とカラミとの豪快な立ち廻りが見どころです。 さらに見得を切るようなザ・歌舞伎という場面もあり歌舞伎らしい華やかさが満載です。
歌舞伎も映画同様娯楽です。見たことのない映画、新作映画には興味を持って劇場へ足を運ばれるように、歌舞伎にもこの東京国際映画祭プレゼンツ歌舞伎座スペシャルナイトをきっかけに足をお運びいただければ本望です。
映画『虎の尾を踏む男達』は歌舞伎の演目(『勧進帳』)が題材に選ばれていますので、歌舞伎俳優としてはうれしい作品です。映画の題材にするということは、当時、それだけ多くの人が「勧進帳」を知っていたということですのでそれがうれしく思います。 検閲に引っかかりましたが、GHQ の方々のご尽力で、歌舞伎と同様に復活できた歴史を持つ作品が、戦後 70 年目の節目に歌舞伎座で上映されることにはご縁を感じます。「雨の五郎」とともにぜひ楽しんでいただければと思います。
「第28回東京国際映画祭プレゼンツ 歌舞伎座スペシャルナイト」(舞踊「雨の五郎」、『虎の尾を踏む男達』特別上映)は10月26日、歌舞伎座にて開催(チケットは10月3日よりチケットホン松竹、 ticket board にて発売開始)