大竹しのぶ、宇宙人役も即答で「やりたい」
『ギャラクシー街道』インタビュー
昨年舞台「抜目のない未亡人」で三谷幸喜監督と初タッグを組み、すっかり意気投合したという女優の大竹しのぶ。「次はハンバーガーショップの宇宙人店員役」と三谷監督から新作映画『ギャラクシー街道』のオファーが来たときは、聞いた瞬間に「やりたい!」と即答したという。「わたしとはあえて賞レースに絡まないくだらないコメディーをやりたいらしいんです」と苦笑いする大竹だが、本作ではパニックになると強力な電磁波を出す、やる気ゼロの宇宙人店員ハナを心から楽しんで演じたようだ。
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『ギャラクシー街道』は、西暦2265年、宇宙空間を舞台にした三谷監督初のSFラブコメディー。木星と土星の間に浮かぶ人工居住区「うず潮」と地球を結ぶスペース幹線道路、通称・ギャラクシー街道の脇に立つ、小さなハンバーガーショップに集まる人々が織り成す恋模様を、店主夫婦役の香取慎吾と綾瀬はるかを中心にユーモラスかつ奇想天外に描く。
緑色のショートヘアと短すぎるぱっつん前髪がトレードマークの店員ハナ。「三谷さんから『メイクだけで、ちょっと変になるくらいだから』って言われたのに、映画を観たらだいぶ変でしたね」とうれしそうに語る大竹。「これといった役づくりはないですが、『え?』と聞き返すシーンでは『……え?』とか『ええー!』とか、細かい演出が楽しかった」と振り返る。
ムチャブリされればされるほどやりがいを感じるという大竹は「電磁波を出すシーンは、本当に自分から『電気が出てる!』と信じてやり切った」と自信の表情。さらに「整体に行ったら『体のバランスが良くない、何かしましたか?』と聞かれ、ハナのキャラとして自然にバランスが悪い身体になっていたことに気が付いて、面白かった」と裏話を明かした。
「ほかの俳優さんの演技を見るのがとにかく楽しかった」と大竹が語るように、本作はハンバーガーショップを舞台に、一風変わった宇宙人が次々と現れる異色作。ところが撮影現場の三谷監督は至って大真面目で、「きちんとコメディーを作る」というスタンスだったという。「三谷さんの頭の中で全てが決まっているんです。リズムのある撮り方なので、毎日夕食前には撮影が終わっていましたね」と述懐。「定時に終わるなんて、まるで昔の映画の現場みたい」と鮮やかな現場さばきに感嘆する大竹だったが、異色すぎるキャラのオンパレードに「でもこの映画、いったいどんな人が観に来るんだろう?」と笑った。(取材・文:坂田正樹)
映画『ギャラクシー街道』は10月24日より全国公開