福士蒼汰、アクション俳優としてのポテンシャルは抜群!
これまでにアニメ、舞台化され絶大な支持を受ける唐々煙による人気コミックを実写化した映画『曇天に笑う』で主演を務めた福士蒼汰。撮影現場で見せた福士のシャープな動きは、アクション俳優としてのポテンシャルの高さを見せつけた。
物語の舞台は、明治維新後の滋賀・大津。300年に一度よみがえり、人に災いをもたらす大蛇(オロチ)の復活の年に繰り広げられる、3人の兄弟、明治政府の部隊、忍者一族が壮絶な戦いや絆を描くアクションエンターテインメントだ。福士は「アクション作品への出演はこれまで多くはないのですが、アクションは好きなので、エンターテインメント性に富んだ作品を、楽しんでやろうという気持ちで臨みました」と撮影に挑んでいた。
報道陣に披露されたのは、キャストが総出演し、激しい戦闘を繰り広げるクライマックスの大立ち回りのシーン。撮影場所となったのは、関東近郊にある巨大な洞窟。真夏日でありながらも、洞窟内はひんやりしており、吐く息は白く、防寒具がないと我慢ができないほどだった。そんな中ではあるが、アクションシーンは熱が入ったものになった。およそ20人近い敵に1人で立ち向かう福士。ブルース・リーが開祖の格闘技・ジークンドーを習っていることもあり、その動きは非常にシャープで見ごたえがある。
撮影現場にいた木村好克監督補は「福士君のアクションスキルは非常に高い」と絶賛。福士自身も「アクション監督の方と『こういう動きはどうでしょうか』と相談しながら作っていけるのが新鮮です」と充実した表情を見せた。木村監督補は、福士との撮影を「例えば20人を倒すアクションのシークエンスを撮る場合、普通は1人か2人倒したところで一度カットを切るものですが、福士君の場合はマスターショットで一気に20人倒すところまで撮ることができる。そこは大きいです」と振り返る。「やはり本人がやるとアクションのリアリティーが違う。ちゃんと顔を映しながら、前を向いてアクションを撮ることができることは本当に大きいですね。それから彼は接触を恐れない。だからスタントチームにもやられるかもしれないという緊張感が生まれてくる」とも話した。
福士にとっては、弟役・中山優馬の存在も大きかったようで、「アクション監督の方が、優馬は覚えがいいとおっしゃっていて。ダンスをやってきたからでしょうか。一緒にやっていても、たしかに吸収が速いんです。こちらも刺激されて、頑張らなきゃという気持ちになりました」と良い影響を受けたという。主演としての自覚も持ち、「いろいろな人たちと話をすることを心がけました。距離があると芝居に出てしまうと思ったので」と語る。共演者にも積極的に声をかけ、現場を盛り上げたそうで、「女性出演者がいない男だらけの現場も自分にとってはあまり経験のないことです。家族には姉しかいなかったし、体育会系の縦社会でもまれたこともないので、男だらけの世界だと自分がどういう風にいればいいのかがわからない。今回の役は特にみなさんとの距離を縮めていったほうがいいと思いながらやっています」と主演なりの心構えを明かしていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『曇天に笑う』は2018年3月21日公開