ボンドは最悪の潜入捜査官?ダニエル・ラドクリフ、タトゥー&丸刈りのリアルFBIに!
近年は独立系映画や舞台で実力を見せているダニエル・ラドクリフが、衝撃作『インペリウム(原題) / Imperium』について、8月8日(現地時間)ニューヨークのAOL開催のイベントで語った。
FBI捜査官ネイト・フォスター(ダニエル)は、上司のアンジェラ(トニ・コレット)から、放射能汚染を狙った爆弾製造をたくらむ白人至上主義のテログループへの潜入捜査を任され、命懸けでテロ計画を食い止めようとする。実在の元FBI捜査官マイケル・ジャーマンの体験談をもとに、ダニエル・ラグシス監督が映画化。ダニエル・ラドクリフが潜入捜査官として丸刈り頭になったり、タトゥーを入れたりするのも見どころの一つだ。
白人至上主義について「白人至上主義のグループの中には、聖書こそが神の言葉であると信じている人たちもいれば、聖書はユダヤ人の陰謀の一部と考えている人たちもいる。白人至上主義の中でも大きな違いがあって、ひとくくりにはできない」と語った。
主人公ネイトはFBI内でもアウトサイダーだ。「ネイトが潜入捜査官に選ばれたのも、それが理由の一つだ。僕が脚本で気に入った点の一つは、とてもリアルに潜入捜査官とは何であるかが描かれていることだ。もし潜入捜査官が銃を発砲すれば、おそらくそれは最悪の潜入捜査官だ。だからジェームズ・ボンドが実際に潜入捜査官だったら、ひどい仕事ぶりになるだろう。潜入捜査官は、自身の知識、機知、魅力や人の空気を読みながら、それぞれの状況を捜査していかなければならない」と答えた。さらにダニエルは、「通常こういう潜入捜査官を描いた映画は、最後の方で銃を使うケースが多いが、本作では銃を使って攻撃したりしないよ」と明かした。
人種差別するようなヘイトグループへの対処について「僕は(多民族の都市)ニューヨークに住んでいるから、このようなヘイトグループが放つスピーチに対して嫌悪感を持ったり、恐れたりする。それらの感情は誰もが持つ反応として理解できるが、そんな反応や退け方、さらにヘイトグループに対する攻撃的なやり方は、ヘイトグループの世界観の中では、全てが彼らに対する陰謀にしか見えないと思う。もし問題を解決しようとするならば、ヘイトグループが、なぜそのような考え方をするようになったかを理解すべきだ」と自身の見解を語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)