“のん”能年玲奈、アニメ映画で再出発!初の主演声優
能年玲奈からの改名を公表した女優・のんが、アニメーション映画『この世界の片隅に』の主演声優に決定。のんは、初の主演声優でのオファーに「すごく本当に、とんでもなくうれしくて、なんか地面からふわっと浮いちゃいそうなくらいうれしかった」と喜びを見せた。
本作はアニメ「BLACK LAGOON ブラックラグーン」シリーズや映画『マイマイ新子と千年の魔法』などを手掛けた片渕須直が脚本・監督を務め、こうの史代のコミックを原作に、戦時中の広島県呉市を舞台にある一家に嫁いだ少女・すずの姿を描くアニメ作品。映画のため、戦中戦後の広島・呉の綿密なリサーチと時代考証に6年の歳月をかけるなど、丁寧に制作を進めている片渕監督は、のんの声を聞いたときに「のんさん以外のすずさんは考えられない」と確信したという。
広島出身のヒロイン・すずがしゃべる言葉は、もちろん広島弁。しかし彼女に声を吹き込むのんは兵庫県生まれ。のんはアフレコを振り返り、「言葉自体は『何々しとる』とか関西弁っぽいところもある。なのに、イントネーションは標準語、みたいなところがあったりして難しかったです」と苦労したことを明かす。
また声優の世界は「別世界だなというのを痛感」したそう。だが彼女が得たものは苦労だけではなかったようで、「体全部を使って演技をする時は、直接皮膚感を何も考えずに使えるのですけど、声だけでそれを全て表現するのは難しくて、全然違うなと思いました。すごく楽しかったです」とコメントしている。
『この世界の片隅に』は、片渕監督らスタッフがクラウドファンディングで資金提供を呼び掛け、制作費3,622万4,000円を集めたという経歴を持つ作品。のんは、「観たい映画を一緒に制作していくという、応援してくださってるみなさんがこの映画を一緒に作っているというのが本当に素晴らしいことだなと思います。わたしもそこに参加させていただけることがすごくうれしいです」と語っていた。
今回、のんの声が入った予告編も公開。予告編では、本作の音楽を担当するシンガー・ソングライターのコトリンゴによる楽曲「悲しくてやりきれない」も披露されている。(編集部・井本早紀)
映画『この世界の片隅に』は11月12日よりテアトル新宿、ユーロスペースほかにて全国公開