吉田沙保里、リオ五輪4連覇を逃した敗因を振り返る
第29回東京国際映画祭
レスリング女子の吉田沙保里選手、カヌーの羽根田卓也選手、ウエイトリフティングの三宅宏実選手らリオ五輪のメダリストたちが2日、東京・EXシアター六本木で行われた「第29回東京国際映画祭 特別上映『東京オリンピック(デジタル修復版)』~東京オリンピック・パラリンピック開催記念上映・リオから東京へ~」のトークショーに集結。吉田選手が、4連覇を逃したリオ五輪の敗因を振り返った。
市川崑が総監督を務め、1964年10月10日から24日まで開催された東京オリンピックを記録した本作。壇上ではオリンピックに絡め、メダリストたちが和やかにリオ五輪の思い出話などを披露したが、吉田もリオでの銀メダルに加え、五輪3連覇を果たした際の金メダルを持参してトークに参加。
持参のメダルについて吉田は「アテネが150グラム。北京が200グラム。ロンドンが440グラム。リオが500グラム。だんだん大きくなっているんです」と紹介。「東京の時はどのくらいの大きさになりそうですか?」と問い返されると「東京は1キロくらいかな」と愛敬たっぷりの笑顔。
4連覇を逃したリオについては「リオの決勝ではわたしに憧れて、わたしを倒すという強い気持ちでやって来た子が相手。それを知っていたのにまだ大丈夫だろうという軽い気持ちで向かったのがこの銀メダルになったと思っています。そういう気持ちでは勝負の世界では通用しないということを学びました」と述懐。敗戦のショックから立ち直ることができたのはSNSなどに寄せられたファンの声だったとも明かした。
また、「オリンピック選手になっていなかったら何になっていましたか」と質問されると吉田は「小学6年生の時のわたしの卒業文集では、将来の夢はレジのおばさんって」と回答。「霊長類最強になっていなかったら普通の人になって、結婚して子供もいたと思います」と話すと司会者からは「霊長類最強のレジ打ちというのもいいですね」と声をかけられていた。(取材・文:名鹿祥史)