ティム・バートン監督、目に憑りつかれる!?
新作ダークファンタジー『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』を引っ提げ来日したティム・バートン監督が、“目に憑りつかれている”というエピソードについて語った。
奇妙なこどもたちが暮らす“ミス・ペレグリンの家”を訪れた少年ジェイクが、自らの宿命を背負い、彼らに迫りくる脅威に立ち向かっていくさまを描いた本作。宙に浮いたり、指先から炎を放ったり、植物を成長させたり、とさまざまな能力を持つ奇妙なこどもたちが描かれているとあって、「僕は透明人間になりたかったんだよね。それに、透視能力もほしいね。唯一なりたくないのは、体の中に蜂を飼う能力かな(笑)」と本作のキャラクターになぞらえ、手に入れたい特殊能力を語るバートン監督。
そんなバートン監督は以前、俳優をキャスティングする際には、彼らの目が好きだからという理由で選ぶことがあり、ジョニー・デップやウィノナ・ライダーなどがその例だと説明していた。また、監督としての前作『ビッグ・アイズ』(2014)ではもちろん“目”が重要なポイントになっていたが、本作でもギョッとするような形で“目”がキーになっている。どうしてここまで“目”にこだわるのか。
「ハハハ。人間は目を持っているだろう」とはぐらかしつつも、「『ナイトメアー・ビフォアー・クリスマス』をつくっただろう? そのとき、目のないキャラクターを主人公にできるんだって言われて動揺したよ。でも、僕たちはそれをやってのけたわけだ(笑)」と原案・製作を手掛けた人気作についての一言が相当、印象的だったと振り返るバートン監督。続けざまに、「でも今作では、目が大きい子もいれば、目がないのもいる」と監督なりのアピールをしていた。バートン監督が初期の作風に立ち戻ったかのようなテイストの本作。往年のバートンファンにはどこか懐かしさも感じさせる一作に仕上がっている。(編集部・石神恵美子)
映画『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』は全国公開中