ライアン・レイノルズ&ジェイク・ギレンホール共演の宇宙スリラー、日本実験棟「きぼう」も作っていた!
ライアン・レイノルズ(カナダ)、ジェイク・ギレンホール(アメリカ)、真田広之(日本)、レベッカ・ファーガソン(スウェーデン)と各国スターが勢ぞろいしたダニエル・エスピノーサ監督の宇宙スリラー映画『ライフ』は凝ったセットも見どころだ。撮影が行われたロンドン郊外シェパートン・スタジオで、美術担当のマーク・ホームズが語った。
未知なる生命体の調査を進める宇宙飛行士が直面する恐怖を描いた本作において、精巧なセットは全て実物が基となっている。「例えばこの宇宙船のスイッチ類は日本のものを基に作っています」と例を挙げたホームズは、「NASA(アメリカ航空宇宙局)職員からのアドバイスも受けています」と胸を張る。各国の実験棟が連なる国際宇宙ステーションも再現しており、日本の「きぼう」棟についてホームズは「素晴らしくスタイリッシュでミニマル、日本は生活様式もそうですよね」と評した。
しかし、作り込んだセットを外さなくてはいけない場面もあった。「カメラを入れたり、(無重力を表現するため俳優を吊り下げる)ワイヤーワークのため、壁や天井が外せるようにしてあります。その場合、壁や天井は後からデジタルで再現しています」。実際に作ったセットのデジタル化という二重の手間がかけられたのだ。
そこまでセットでの撮影にこだわった理由を「グリーンスクリーンの使用は避けるようにしました。その方が光の加減などが上手くできます」と説明したホームズ。そうして作った映画は「基本的には潜水艦映画」だと思ってほしいといい、「ダニエル(・エスピノーサ監督)は閉所恐怖的な感覚を出そうとしていました。そのため撮影に必要な広さをとりながらも、宇宙船の狭さを感じさせるようにしました」と明かした。
制約の多い大変な仕事だったようだが、ホームズは「苦労だとは思いませんね」ときっぱり。「男の子の冒険ごっこみたいなものですよ。中にはオタクのスタッフもいて、僕らはこういう仕事が大好きです」と職人気質をのぞかせた。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)
映画『ライフ』は7月8日より丸の内ピカデリーほか全国公開