実父を殺し整形して別人に…玉木宏主演で「悪と仮面のルール」を映画化
俳優の玉木宏が、芥川賞作家・中村文則のサスペンス小説を映画化する『悪と仮面のルール』(2018年公開)で実父を殺害し、顔を変えて別人として生きる青年というショッキングな役どころを演じる。玉木いわく「非常にデリケートで難しい役柄」で、「文宏は整形をして他人の顔を手に入れ、覚悟を決めて進もうとするが、人の内面は整形出来ない。悪に対して理性があるが故の脆さを大切に演じたいと思いながら、この作品と文宏という役に向き合いました」と難役に挑んだ心境を明かしている。
原作は、「土の中の子供」(2005)で芥川賞を受賞した中村の2010年に刊行された同名小説。財閥・久喜家に生まれ実父から「純粋悪」となることだけを望まれて生まれた文宏(玉木)は、思いを寄せ合う久喜家の養女・香織を守るために父を殺害。その後心神喪失となり皮肉にも嫌悪していた父に近づいていく彼は、顔を変えて新谷という別人として影から香織を見守ることを決意。彼女を狙う存在を排除するが、その裏で糸を引いていたのが兄であることを知り、文宏は再び罪を犯そうとする……。
メガホンをとるのは、福山雅治出演のアサヒスーパードライのCMやロックバンド・UVERworldの長編ドキュメンタリー映画『THE SONG』(2012)、全編ロサンゼルスで撮影した映画『ZEDD』(2014)などを手掛けてきた中村哲平。玉木は、「特異な作品だからこそ『善悪』『真の愛』『家族』『友人』の事を、改めて見つめ直すきっかけになるのではないか」と完成に期待を寄せている。(編集部・石井百合子)
映画『悪と仮面のルール』は2018年全国公開