エドガー・ライト監督『ホット・ファズ』続編の「アイデアはある」
エドガー・ライト監督が、映画『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(2007)の続編の可能性についてMovieWebに語った。
『ホット・ファズ』は、『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』と共に「コルネット3部作」(どの作品にもアイスクリームのコルネットが登場することから)と称されるコメディーの一作。優秀すぎるという理由でのどかな田舎町に左遷されたエリート警官ニコラス・エンジェル(サイモン・ペッグ)が、アクション映画好きだが銃も撃ったことがないダニー・バターマン(ニック・フロスト)とバディを組まされ、続発する怪死事件の解明に挑むさまを描いた。ライト監督とサイモンが執筆した脚本はアクション映画へのオマージュたっぷりで、多くのファンを獲得した作品だ。
現在、新作『ベイビー・ドライバー』のプロモーション中のライト監督は、『ホット・ファズ』の続編の可能性について聞かれると、「もちろんいくつかのアイデアがあるし、サイモンとそのことについて話したことさえある」と明言。しかし、“アイデアがある”ことと“実際に制作する”ことは別問題のようで、「でも問題は、僕が人生の3年間をそれに費やしたいか? ということなんだ。全く新しいストーリーを語れる機会があるのに、続編をしたいか? というね。もし誰かが『ベイビー・ドライバー』の続編に聞いてきたとしても、僕は『アイデアはある』というだろう。ないなんて絶対言わないよ」と語る。
さらに「どんな映画でも作るのに少なくとも2年はかかる。3年かも。若ければいいのかもしれないけど、僕はすでに40代に突入しているんだよ。だから昔のストーリーを再び語るより、新しいのを語る方がいいと思う」と43歳になり、取り組むプロジェクトもより精査するようになったよう。「でもコルネット3部作で続編の可能性があるのは『ホット・ファズ』だけだと思う。続編で、特にコメディーの続編で難しいのは、第1作でキャラクターたちがその変化を終えているということ。ニコラス・エンジェルもダニー・バターマンも変わった。だから問題は、どこから始めるか、そこからどこへ行くのか、ということだね」と続けている。
新作『ベイビー・ドライバー』は、マーベル映画『アントマン』を創造上の相違で降板したライト監督が手掛けた、『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』(2013)以来となる監督作。犯罪組織の“逃がし屋”として活躍する若き天才ドライバー(アンセル・エルゴート)の姿をロックミュージックの数々と共に描き、英米の批評家から絶賛されている。8月19日日本公開。(編集部・市川遥)