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カリスマ首相の意外な弱さ…『チャーチル』主演俳優が明かす

チャーチルを演じたブライアン・コックス
チャーチルを演じたブライアン・コックス

 イギリスの名優ブライアン・コックスが新作『チャーチル(原題) / Churchill』について、5月31日(現地時間)ニューヨークのAOL開催イベントで語った。

【写真】テプリツキー監督作『レイルウェイ 運命の旅路』

 ノルマンディー上陸作戦決行までのチャーチルの96時間を追ったドラマを、『レイルウェイ 運命の旅路』のジョナサン・テプリツキー監督が映画化した本作。ウィンストン・チャーチル(ブライアン)が英国首相に就任して5年。アメリカのドワイト・D・アイゼンハワー元帥は多くの戦死者が出ている第2時世界大戦を終結させるためにD-Day(ノルマンディー上陸作戦)の計画をチャーチルに伝える。しかし、膨大な数の犠牲者が出ると考える彼は、同作戦に難色を示す。

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 チャーチルの精神的な弱さが描かれている今作についてブライアンは「チャーチルは、ノルマンディー上陸作戦が行われる半年前の1943年の年末に心臓発作を患い、かつこの作戦にも満足していない。第1次世界大戦当時、海軍大臣だった彼は、自身が計画したガリポリ上陸作戦で惨敗したから、同じ過ちを繰り返したくなかったんだ。僕はちょうどオーストラリアから帰国したばかりなんだけど、オーストラリア人の中にはチャーチルをあまりよく思っていない人たちもいる。多くの人々を失うという悲劇だったからね。チャーチルはその後もガリポリ上陸作戦の失敗に悩まされ、その悩んでいる状態から今作が始まるんだよ」と人々を統率するチャーチルのカリスマ性を描いたこれまでのドラマと、本作は一線を画すと話す。

 また、チャーチルとは異なるビジョンを持っていたアイゼンハワー元帥については「彼のビジョンはこれまでの歴史上の考えとは異なるものだったが、バーナード・モンゴメリー(英国陸軍総司令官)やほとんどの連合軍の人々のサポートを得ていた。一方、ノルマンディー上陸作戦に反対するチャーチルは引っ込みがつかなくなっている。彼は70歳の誕生日が近づいて弱々しく、自信もうかがえない状態だった。そんな時にチャーチルの妻が、彼の人生を支える岩のような存在となり、彼女こそがチャーチルの伝説を元の状態に戻したんだ」と語った。

 チャーチルの豪快な人柄については「彼はとんでもない量のアルコールを毎日摂取していたそうだ。朝食にはシャンペン、ランチにはウイスキーとソーダを混ぜたものやソーヴィニョン・ブラン、夜はブランデーとさまざまなお酒を飲んでいた。加えて、毎日4時間足らずの睡眠しか取っていなかったらしいよ」と明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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