実写『ジョジョ』空の色を全部変える案があった
テレビアニメも昨年放送された人気コミックを実写化した映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(8月4日全国公開)のワールドプレミアが、現地時間2日にスイス・ヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭で行われ、メガホンを取った三池崇史監督が上映後のQ&Aで本作の空の色をすべて変える案が存在したことを明かした。
【画像】スタンディングオベーションで迎えられていた山崎賢人と三池崇史監督
原作だけではなく、テレビアニメ作品でもカットが変わると同じ時間帯のシーンでも空の色や登場人物の髪色などが変わるなど独特の色彩センスでもファンに親しまれている「ジョジョ」シリーズ。この日のワールドプレミアには、キャラクターのコスプレをして会場に訪れたファンなど生粋のファンの姿も多数見られた。そしてQ&Aの際に、三池監督に向けて「『ジョジョ』といえば原作やアニメが色彩豊かな作品ですが、映画では色彩をどのように意識しましたか?」という質問が。
その質問に対し、まずロケ地を日本ではなくスペインにした理由から説明した三池監督。「少し空気感が違うような男たちがいて、スタンドが出てきてもおかしくない世界を、ということでスペインのシッチェスに行き、アジア人や日本人のエキストラとして出演いただいたんです」。そして三池監督は「逆にあまり色を意識しすぎないように、自然に見せられることを心掛けました」と話す。その理由は「ジョジョ」シリーズの象徴ともいえる特殊能力“スタンド”を優先するため。「スタンドの色使いが特殊に見えるようにしました。最初は空の色も全部変えようかと思っていたのですが、作っていくうちにだんだんとシンプルになっていったんです」。
また三池監督の『オーディション』(2000)が好きという観客からは、「実写化する上で『ジョジョ』の原作のどの部分を大事にしたか?」という問い掛けも。三池監督は「成長していくという部分ですね。(主人公の)仗助と出会うことで周りの人間も変わっていって。彼自身も少し大人になっていくという青春ドラマという部分も大事にしています」と回答。さらに観客からは続編を期待する声も上がり、監督は「続編ができるかどうかは、はじめて観た皆さんがおもしろかったと世界へ向けて発信してくれるかにかかっています」と客席へ呼び掛けていた。
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』は、第17回ヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭のインターナショナル・コンペティション部門に選出。同映画祭は現地時間8日まで開催される。(編集部・井本早紀)