小栗旬、若手に見せた頼もしい“先輩”の顔
人気小説を実写化した映画『君の膵臓をたべたい』でダブル主演を務めたのは、ブレイク必至と言われる若手俳優の浜辺美波&北村匠海。共演の小栗旬と北川景子は自らも10代の頃から芸能界で活躍しているが、自分たちが若手の頃を「いまとは違う」と振り返る。一方で、小栗は自分たち世代が道を作っていくことで、より多くのことにチャレンジしやすい時代が来るはずだと意欲を見せ、頼もしい先輩の顔をのぞかせた。
膵臓に重い病を抱えるヒロイン・桜良、それを唯一知るクラスメートの“僕”として、難役をこなした浜辺と北村。小栗と北川も二人と同じように、若い頃からこの仕事をしていた。北村と同じ年齢の時期、小栗はテレビドラマ「ごくせん」に出演し大ブレイク。「当時の僕は遊ぶことしか頭になかったのに、いまのみんなは大人でまじめで一生懸命でキラキラしている」と目を細める小栗は、「先輩としてのアドバイスなんてないです」と苦笑いを浮かべる。
高校生の時にスカウトされ、モデルとしてデビューした北川も「美波ちゃんと同じ16歳の頃、私はまだ普通の学生でした。仮にこの仕事をしていたとしても、こんなにしっかりとした作品はやれなかったですね。時代が変わったなって思います」と語り「力がある10代がいっぱい出てきた」という風潮に驚く北川は、「逆にアドバイスがほしいくらいです」と落ち着いている主演の二人を称賛した。
そんな先輩からの言葉に若い二人は声をそろえて、「恐縮です」と照れるばかり。しかしながら、これからについて「何か大きな失敗をしないように慎重にやっていきたい」と浜辺が注意深く発言すると、小栗は「失敗はたぶんしても大丈夫。他人に迷惑をかけない失敗ならいっぱいした方がいい」と大人らしく助言を送っていた。さらに今回、過去パートと現代パートでそれぞれ同じ“僕”役を務め、『TAJOMARU』でも小栗の子供時代を演じ、小栗の監督作品『シュアリー・サムデイ』にも出演するなど、縁の深い北村が「俳優業はもちろん、何かを作るのがすごく好きなので、写真も撮りたいし、小栗さんのように監督業にも挑戦してみたい」と将来のビジョンを打ち明けると、小栗は「悔いの残らないようにやりたいことをやった方がいい」ときっぱり。
そして、小栗は「これからは監督業だけでなく、もっといろいろやりやすい時代がくるんじゃないかな。前例を作ることで、できることは増えていくと思う」と語り始めると、「実際いま、そういう道を作ろうと頑張ってくれている山田孝之とかがいる。僕らみんなでやりやすい環境を作っていこうと思っているので、もっともっといろんなことができる環境になると思う」と頼もしい言葉をかけた。
劇中でも、みずみずしい二人をがっちり支え、大人パートにふさわしい演技で、物語に広がりを加えている小栗と北川。浜辺&北村も堂々とした演技でそのサポートに応えている。先輩からの熱いアドバイスを受けた、二人の今後の成長もまた、楽しみだ。(取材・文:高山亜紀、写真:高野広美)
映画『君の膵臓をたべたい』は7月28日より全国公開