早くも!恐怖のピエロ映画『IT』歴代9月公開作で最大のヒットに
全米ボックスオフィス考
先週末(9月15日~9月17日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、大ヒットスタートを切ったホラー映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』が2週目も絶好調で、興行収入6,010万3,110ドル(約66億1,134万2,100円)を稼ぎ出し堂々首位の座をキープした。累計興収は2億1,881万3,729ドル(約240億6,951万190円)に達し、1986年の『クロコダイル・ダンディー』(最終興収1億7,480万3,506ドル・約192億2,838万5,660円)を抜いて、歴代の9月公開作で早くもナンバーワンのヒット作となった。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル110円計算)
【ピエロ注意】『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』予告編
スティーヴン・キングの同名ホラー小説を基に、神出鬼没なピエロ・ペニーワイズ(ビル・スカルスガルド)と対峙する子供たちの恐怖を描き、批評家からも観客からも好評を博している本作。ホラー映画『MAMA』のアンディ・ムスキエティ監督がメガホンを取り、小説の設定通り2部作(第2部が描くのは子供たちが大人になり、再び町へと戻る姿)での制作が予定されている。1973年の『エクソシスト』(最終興収2億3,290万6,145ドル・256億1,967万5,950円)を抜き、R指定ホラー映画で最大のヒット作となるのも時間も問題だ。
『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の陰に隠れてしまったのが、2位の『アメリカン・アサシン(原題) / American Assassin』と3位の『マザー!』という初登場組だ。ディラン・オブライエンとマイケル・キートン共演のアクション『アメリカン・アサシン(原題)』は興収1,484万6,778ドル(約16億3,314万5,580円)とまずまずだったが、ジェニファー・ローレンスと『ブラック・スワン』のダーレン・アロノフスキー監督が組んだサイコスリラー『マザー!』は興収753万4,673ドル(約8億2,881万4,030円)と大苦戦。大規模公開されたジェニファー主演作史上、最低のオープニングとなってしまった。
支持する批評家は少なくないものの、シネマスコア(リサーチ会社CinemaScoreが発表している観客満足度)は「F」というなかなかお目にかかれない最低値を記録した。キリスト教徒には受け入れがたい内容だったといえるかもしれない。
今週末は、『キングスマン』の続編『キングスマン:ゴールデン・サークル』や、『レゴ (R) ニンジャゴー ザ・ムービー』などが公開される。(編集部・市川遥)
9月15日~9月17日の全米ボックスオフィスランキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(1)『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』
2(初)『アメリカン・アサシン(原題) / American Assassin』
3(初)『マザー!』
4(2)『ホーム・アゲイン(原題) / Home Again』
5(3)『ヒットマンズ・ボディガード』
6(5)『ウィンド・リバー(原題) / Wind River』
7(4)『アナベル 死霊人形の誕生』
8(6)『フェリシーと夢のトウシューズ』
9(7)『スパイダーマン:ホームカミング』
10(8)『ダンケルク』