『ブラック・パンサー』主演俳優、伝記映画への出演再び!決め手は?
アフリカ系アメリカ人初の米最高裁判所判事となったサーグッド・マーシャルの若き日を描いた映画『マーシャル(原題) / Marshall』について、チャドウィック・ボーズマンとジョシュ・ギャッドが9月25日(現地時間)AOL開催イベントで語った。
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舞台は1940年代の米コネティカット州。名士の妻(ケイト・ハドソン)に性的暴行を加えた黒人運転手が訴えられ、弁護士のマーシャル(チャドウィック)はNAACP(全米黒人地位向上協会)を背負ってその裁判に関わる。マーシャルは判事から人種的な差別を受けて口封じにあうものの、ユダヤ系法律家サム(ジョシュ)と手を組んで、黒人への偏見を取り払っていく。『ジャンゴ 繋がれざる者』の製作者レジナルド・ハドリンが監督を務めた。
今作の製作経緯についてチャドウィックは「サムの娘ローラは大学時代に(ハリウッド大物製作者)ポーラ・ワグナーのルームメイトだったんだ。そこでローラは、弁護士の友人マイケル&ジェイコブ・コスコフが書いた脚本をポーラに送ったらしいんだ」と答えた。
映画『42』で伝説のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンを演じたチャドウィックは、当初伝記映画への再出演をためらったそうだが「多くの人がマーシャルの若き日を知らないことが、惹かれた理由の一つだったね。例えば(マーシャルが関わった)ブラウン対教育委員会裁判(アメリカの人種分離政策について米最高裁が行った裁判)だったら、結末を僕も知っていた。だから、もし今作のようにサスペンスフルなストーリーを手掛ける機会を与えられたなら、仮にマーシャルを知っていたとしても、ほとんどの観客になじみのない題材(若き日のマーシャル)を扱うべきだと思うんだ」と答えた。また、チャドウィックはマーシャルの息子からもマーシャルを演じてほしいと手紙を受け取ったことを明かした。
1941年、第2次世界大戦時の設定という今作。反ユダヤ主義を掲げるナチスに対する反対運動が北部南部問わずにアメリカ中で起きていた背景がある。そんな中、この裁判に関わるサムの人物像についてジョシュは「彼は弁護士の裏方の仕事をし、満足もしているが、ほとんどは(他の弁護士のサポートとして)小さな裁判に関わってきたんだ。だが突如、説得上手な指導者マーシャルに、自分の最高部分を見せることができるこの裁判を引き受けるよう説得されて、強制的にスポットライトを浴びることになるんだ。最終的には、二人(サムとマーシャル)が正義を求めた映画なんだよ」と説明した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)