フィンチャー監督!犯罪心理ドラマ、脚本には実在の殺人犯の性格の詳細も
映画『ファイト・クラブ』『ドラゴン・タトゥーの女』などのデヴィッド・フィンチャー監督が手掛けたNetflixオリジナルドラマ「マインドハンター」について、主演のジョナサン・グロフが10月18日(現地時間)ニューヨークのAOL開催イベントで語った。
本作は、FBIの捜査官ホールデン・フォード(ジョナサン)とビル・テンチ(ホルト・マッキャラニー)が、連続殺人鬼らを追う中で、犯罪者プロファイリングという手法を編み出し、連続殺人犯にインタビューしながら、未解決事件の謎に迫っていく姿が描かれる。フィンチャーは監督だけでなく、シャーリーズ・セロンと共に製作総指揮を務めた。
出演経緯についてジョナサンは「ミュージカル『ハミルトン』に出演中に、フィンチャー監督のオーディションと記されたE-mailがエージェントから送られてきたんだ。フィンチャー監督ファンの僕は、オーディション内容を読む前に『イエス』と返事をしていたよ。連続殺人犯のプロファイリングというテーマとフィンチャー監督とのタッグも興味深かったしね」とオーディションへの参加を即決したことを明かす。その後は、「ハミルトン」の休演日にロサンゼルスへ行きフィンチャー監督に会ったそうだが、「このシリーズを鑑賞した人ならわかると思うけど、各シーンは長く、内容も濃く、さらに複雑なんだ。これまでのテレビシリーズや映画でこんな脚本を受け取ったことはなかったよ。中には15ページ分もの(セリフを通して)心理的に掘り下げた内容もあったんだ」と語った。
劇中の主人公のインタビュー対象は、実在した連続殺人犯たちだが、今作のために具体的に行ったリサーチについて聞かれると、「僕自身、これまで連続殺人犯について全く知らなかったから、まず原作を読み、それからドラマに登場する連続殺人犯をそれぞれ理解していったよ。ドラマは1977年のFBIが舞台で、その頃はまだ連続殺人犯(シリアルキラー)という言葉すら存在してなかったんだ。つまり、ホールデンがこのシリーズ内で連続殺人犯について学んでいるのと同様に、僕自身も連続殺人犯について学んでいってるんだ」と話し、脚本内には連続殺人犯の性格が詳細に記されていたことも明かした。
当時のFBIに関しては、「FBIの初代長官ジョン・エドガー・フーヴァーが1970年代前半に亡くなるまでは、善人と悪人が白黒はっきり分かれた世界だったんだ。でも今作で描かれる1970年代後半、ホールデンは心理学、社会学などにおいて自由な考えを持っていたのに、FBIの厳しい環境下にさらされてしまうんだ」と話し、続けて「犯罪学は白黒はっきり分かれた世界ではなく、グレーな世界もあって、複雑なものかもしれないと彼は感じ始めていくんだ。第1話では全てFBIのルールに従って動くも、悲劇の結末を向かえてしまう。そこで、FBIのルールを見直す必要があると思って、今回の旅路(連続殺人犯のプロファイリング)を始めていくんだよ」と説明した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)