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トミー・リー・ジョーンズ、映画は一言で「お金」?シャレ飛ばす

第30回東京国際映画祭

中央で良い笑顔を見せるトミー・リー・ジョーンズ
中央で良い笑顔を見せるトミー・リー・ジョーンズ

 開催中の第30回東京国際映画祭のメインイベントであるコンペティション部門の国際審査員記者会見が26日に都内で行われ、審査委員長を務め日本では缶コーヒー「BOSS」のCMでも親しまれている俳優のトミー・リー・ジョーンズをはじめ、審査委員5人がそれぞれの審査基準を語った。

【写真】トミー・リー・ジョーンズ、娘と2ショット

 今年のコンペティション部門には、88の国と地域から集まった1,538作品の中から15作品が選出。審査委員はアカデミー賞受賞経験のある俳優のジョーンズ(アメリカ)をはじめ、監督のマルタン・プロヴォ(フランス)、監督・脚本家のレザ・ミルキャリミ(イラン)、女優のヴィッキー・チャオ(中国)、俳優の永瀬正敏(日本)の5名が務める。

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 冒頭、マイクを持ったジョーンズは「わたしたち全員にとって、とても光栄な機会をいただいていると思っております」と話し、5人全員が国籍もバラバラな事を挙げて「わたしたちは世界を代表しているわけでも特定の国と地域を代表しているわけでもありません。それがいい事だと思っています。願わくは、審査員として観客に押し付けるようなかたちではなく理解を得られるような、そんないい映画に出会いたいと思っております」とあいさつした。

 それぞれの審査基準についても語り、ミルキャリミは「映画の作り手から審査する側とまったく異なる状況になるのはとても難しいですが、映画的価値を一番に考えて取り組みたいと思っております」と明かし、「まずはシネマチックの価値観、その次に内容に注目したい」とコメント。日本でも『レッドクリフ』などで知られるチャオは「文化的な背景も違う映画がたくさんあります。それぞれの映画が求めている方向性と内容、表現を全体として映画の完成度を重要視しています」と説明した。

 続けて、プロヴォは「作品自体だけではなくその裏側にもどういった意味合いが含まれているのかも考え、今世界でどういった事が起きているのか、そういう温度感も体感できたらと思っております」と期待を寄せ、「審査員という役割はいったん忘れて、シンプルに広い心を持って観客として観たいです。良い作品であれば直接心に届くので、そこを感じたいと思っております」と語った。永瀬は、ノミネート作品への賛辞と共に「僕が気を付ける事は、全部の作品にグランプリを与えないようにしない事です」とジョークで笑いを誘い、「僕も心がどれくらい動いたかになってくると思います。その気持ちを審査員の方々と共有して、話し合いながらやっていけたらと思っております」と話した。

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 また、質疑応答では「それぞれにとって映画とは?」という質問も。これにジョーンズは「映画を一言で語ることができるのなら、わたしたちは誰もカメラを回していません」と映画の奥深さを表現しつつ、最後に「一言でいうと『お金』です。映画を作るのにはたくさんのお金がいりますから」とウィットに富んだコメントで笑いを起こした。(取材・文:中村好伸)

第30回東京国際映画祭は11月3日までTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか各会場で開催

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