門脇麦、リラックス法は「ひたすら歩く」
俳優の國村隼と門脇麦が4日、都内で行われたベルギー・フランス・カナダ合作映画『KOKORO』の初日舞台あいさつにヴァンニャ・ダルカンタラ監督と共に出席し、それぞれのリラックス法を明かした。この日は俳優の安藤政信も登壇を予定していたが、体調不良のため欠席となった。
日本の美しく険しい自然を舞台に、一人の女性の回復の物語を紡いだ本作。愛する弟の死にショックを受けたフランス人女性アリス(イザベル・カレ)は、弟が旅をしていた日本を一人訪れ、そこで出会った村人たちと交流を深める……。
大勢の観客で埋まった場内を見渡した國村は「こんなにたくさん『KOKORO』の初日に来てくださってありがとうございます」と晴れやかな表情。門脇も「普段とは違う日本が見えてきて、不思議な気持ちになりましたが、そういう意味でとても美しい映画ができたと思います」と作品の出来に誇らしげだ。
「もともと日本が大好きで、前々から日本の精神を伝えるような物語を作ってきました」というダルカンタラ監督。「もちろん國村さんが出演した映画も観てきて、素晴らしい役者であることは知っていました。今回、國村さんとは深い友情を結ぶことができました」と語り、門脇については「オーディションで一目でこの人だと思いました。彼女が演じるヒロミという役は非常にパワーがあって印象的。西洋人の観客にも人気のキャラクターでした」と解説する。
一方の門脇は、オーディション時を「英語でセリフを言うのも、海外の監督と組むのも初めてなので、緊張するんだろうなと思っていたんですけど、ヴァンニャさんが本当に魅力的な人で、緊張感もなくやれました。撮影期間中も、深くて静かで柔らかい空気が現場に流れていて幸せでした」と振り返る。英語のセリフについても「強いキャラクターだったので、英語でしゃべると語気が強くなるし、はねやすくなるので良かった。日本語でやったら違う感じになったと思う」とポジティブに捉えていた。
作品にちなんで、國村と門脇の「自分を取り戻す場所」について質問される一幕も。國村は「時間ができると渓流に釣りに行くのが唯一の楽しみ。日常から離れて癒やしを感じる空間です」とコメント。門脇も「わたしも山や海が好きなので、疲れたら山を登って雲海を眺めたり、海で波を眺めたりします。休みがないときは、ひたすら歩きます。新宿から六本木まで2時間くらい歩くこともあります。歩いていると、いろんな考えが思い浮かんだり、これが引っ掛かっていたんだ、というようなことが出てきたりするので、歩きながら瞑想をしているのかもしれません」とそれぞれにリラックス法を明かしていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『KOKORO』はユーロスペースほか全国順次公開中