シンデレラガール・藤井武美、古川雄輝に優しく見つめられながら感涙
古川雄輝の主演映画『風の色』でヒロインを演じる女優の藤井武美が29日、都内で行われた本作の完成披露試写会に古川とともに登壇し、ようやく観客のもとに届けられることに感極まって涙を流した。この日は、『猟奇的な彼女』などで知られる本作の監督、クァク・ジェヨンも来場した。
日韓合作の本作は、東京と北海道を舞台に、外見がそっくりな2組の男女が繰り広げる、幻想的かつミステリアスなラブストーリー。恋人のゆり(藤井)が突然、姿を消した涼(古川)は、「わたしたちはまた会える」という生前の彼女の言葉に導かれるように北海道へ向かう。一方、旅の途中で出会った亜矢(藤井/二役)も、2年前から行方不明の隆(古川/二役)との再会を待ち望んでいた……。
一人二役を演じたことについて話が及ぶと、「初めてひげをつけていまして、以前から僕の作品を観ていただいている方からすると新鮮なのかなと思います」と初の試みをアピールした古川。約1万人の中からヒロイン役を射止めた藤井は、「実は今日、祖父の命日でもありまして」と打ち明け、「何か縁を感じていて、こんな日に皆様に見ていただけるのは嬉しく思います」と感無量の様子。クァク監督から「最初の企画から完成するまでに10年かかった。これだけ時間がかかったのは二人に会うためだったと思う」と伝えられと、嬉しそうに笑みをこぼした。
また、オーディション時は「緊張しましたけど、やるしかない! これは絶対取ってやるという気持ちしかなかったです」と明かし、合格が決まった時には「叫びました。やっとチャンスをくれたんだな思いました」と振り返った。
一方、クァク監督の誉め言葉を「そういうことですね」と素直に受け止め、ファンの笑いを誘う古川。しかし、古川はそれだけの働きをしており、本物の氷水に入るなど、過酷な撮影にも体当たりで取り組んだ。そんな古川にクァク監督は「CGを使うとお金がかかるんですよね。古川さんにちょっと頑張っていただければ製作費も削れるかなと思いまして」と冗談を言って笑わせつつ、「とにかく水の中の撮影が多くて気の毒と思っていたけど、映画のために頑張っていただきました」と古川の努力を称えた。
その後も楽しく撮影エピソードを語る一同だが、締めのあいさつになると、「あぁ、ずっと我慢していたのに無理でした……」と涙をこぼす藤井。そして、古川が優しく見つめる中、「撮影してから3年が経つんですけど、やっと皆さんに見てもらえると思ったら本当にうれしくて」と声を振り絞ると、「北海道という素晴らしい地で、人も温かくて、古川さんと監督と一緒にお仕事をさせていただいたことは勉強になりましたし、これからもっと頑張ろうという気持ちになりました」と力を込めた。(取材:錦怜那)
映画『風の色』は2018年1月26日より全国公開