なぜサメ?映画で愛されるサメ
“二つの頭を持つサメ”という前代未聞のコンセプトでサメ映画業界に衝撃を与えた映画『ダブルヘッド・ジョーズ』が、テレビ東京の「午後のロードショー」枠(27日13時35分~)で放送される。『JAWS/ジョーズ』『シャークネード』『ディープ・ブルー』など名作パニック映画から“とんでもサメ映画”まで、サメ映画はコンスタントに製作され続けており、観客から愛されている。
『ダブルヘッド・ジョーズ』(2012)はその名の通り“2つの頭”を持つ獰猛な巨大サメが、ビーチを楽しむ若者たちをパニックに陥れていく作品。衝撃度、破壊力、食欲、全て2倍の脅威が襲いかかる。プロレスラーのハルク・ホーガンの娘であるブルック・ホーガンが出演して重要な役どころを担っており、本作に続く映画として“頭が三つあるサメ”が登場する『トリプルヘッド・ジョーズ』(2015)も製作された。
サメ映画の代表ともいえるスティーヴン・スピルバーグ監督の『JAWS/ジョーズ』(1975)では純粋に巨大だったサメは、映画の世界で他に類を見ない「進化」を遂げている。頭が三つに増えたり、巨大な竜巻とともに人間を襲ったり、砂の中を泳いだり(『ビーチ・シャーク』)と突飛な「進化」も多いが、そういった設定の映画の製作が許され、観客から受け入れられるのは、人々の“サメ愛”がそうさせるのだろう。
27歳でメガホンを取って『JAWS/ジョーズ』をヒットさせたスピルバーグ監督は以前にインタビューで同作について「とても多くの時間がたったこの作品ですが、わたしが手掛けたほかの映画と比べて、年を取らない作品のように思います。たくさんの要因はあるでしょうが、わたしはこの作品をとても誇りに思っています」と語り、サメについても「わたしはサメが嫌いではありません。どちらかというと、わたしはサメが大好きなんです」と明かしていた。
多くの人に愛されて独自の「進化」を遂げた“映画のサメ”に思いを馳せながら、『ダブルヘッド・ジョーズ』を楽しむのもいいかもしれない。(編集部・海江田宗)