セクハラ代役、GG賞ノミネート!リドリー・スコット80歳の仕事が速すぎる
映画『エイリアン』『ブレードランナー』などの巨匠リドリー・スコット監督のらつ腕ぶりが話題を呼んでいる。出演者であるケヴィン・スペイシーのセクハラ疑惑が10月末に浮上したため、新作『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド(原題) / All the Money in the World』(12月25日アメリカ公開)はすでに完成していたものの、スコット監督は11月初めにスペイシー登場場面の全削除を決定。代役で再撮影、再編集をして、80歳の誕生日を迎え、12月4日には新バージョンでの試写にこぎつけ、先日発表された第75回ゴールデン・グローブ賞で見事3部門ノミネート(監督賞、女優賞、助演男優賞)を果たした。
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『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド(原題)』は、1973年に起きた石油王ジャン・ポール・ゲティの孫、ジョン・ポール・ゲティ三世の誘拐事件を題材にしたクライムスリラー。スペイシーが演じていたのは石油王ジャン・ポール・ゲティで、Deadlineによると、それほど出演時間は長くはないが重要な役だったという。急きょ代役を務めることになった『人生はビギナーズ』のオスカー俳優クリストファー・プラマーは、スコット監督と共に11月20日~29日までローマとロンドンで緊急の撮り直しを行った。再撮影でかかったコストは約1,000万ドル(約11億円・1ドル110円計算)に及んだという。
そして、プラマーはこの演技でゴールデン・グローブ賞助演男優賞にノミネートされることに。スコット監督は「(ゴールデン・グローブ賞を選定する)ハリウッド外国人映画記者協会に本作を評価してもらえて興奮しているし、感謝しています。特にミシェル(・ウィリアムズ)とクリス(トファー・プラマー)が美しい演技でノミネートされたことを誇りに思います」と Entertainment Tonight にコメント。「予期せぬ困難に見舞われましたが、われわれは世界中の観客がこの映画を観られるようにしようと決心しました。このプロジェクトに関わる何百人もの人々が、それを実現するために全てのフレームに魂を込めたのです。それだけに、こんなに素晴らしい評価をもらえて本当にうれしく思います。ありがとうございます」と喜びを語っている。
授賞式は来年1月7日に開催される。(編集部・市川遥)