ソフィア・コッポラ、日本のスナップショット写真から多大な影響受けてた!
ソフィア・コッポラ監督が18日、TSUTAYA TOKYO ROPPONGI で行われた映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』公開記念トークイベントに来場、日本の写真文化からの影響を語った。
ニコール・キッドマン、キルステン・ダンスト、エル・ファニングらが出演する本作は、世間から隔離され閉ざされた女子寄宿学園に暮らす7人の女性たちが、ひとりの男を巡り、狂いゆくさまを描き出す愛憎スリラー。2017年カンヌ国際映画祭で、女性監督としては史上2人目となる監督賞を獲得するという快挙を成し遂げたことも話題となった。
今回のトークイベントにはソフィアとともに、監督デビュー20周年を記念して発売されたフォトブック「Andrew Durham Set Pictures Behind the Scenes with Sofia Coppola ソフィア・コッポラ監督20周年記念メモリアル・フォトブック」のカメラマンを務めたアンドリュー・ダーハムも来場。会場に集まった大勢の観客を前にし、ソフィアも「皆さん、ようこそいらっしゃいました。今回は友人のアンドリューと一緒なので特にうれしいです」と笑顔を見せた。
今回のイベントは、DVDやブルーレイソフトが並ぶ棚の横に設置されたスペースで実施されたということもあり、店内の棚に興味津々な様子の二人。ソフィアも「あちらの棚には子ども向けの作品がありそうな感じだったのでいいなと思って。アメリカは配信が主で、DVDストアがないので、アメリカにもこういう店があったらいいなと思って見ていたの」と2児の母らしいコメントを発するひと幕も。
監督デビュー20周年を記念して制作された本写真集は限定2,000部、日本のみで発売されることとなる。そのことについて「そんなにキャリアがあるなんて信じられない」と語るソフィアは、「『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』は、(長編映画監督デビュー作となる)『ヴァージン・スーサイズ』に似た作品になっているんだけど、アンドリューは、初期の作品からずっとセットにいて、写真を撮ってくれていたので、いい思い出がいっぱい詰まった作品集となったわね」と振り返る。
さらにアンドリューが「ソフィアと僕は、好きな写真のタイプがとても似ている。プロが撮るようなきっちりとしたものよりも、カジュアルでナチュラルな感じがする方が好きなんだ。僕たちの写真もスナップのような写真でね。映画の現場には、プロのスチールカメラマンが入っているけど、僕たちの写真は役者やスタッフがどういう空気感で現場にいたのか、ということをのぞき見できるような、そんな写真になっているんだよ」と説明すると、ソフィアも「彼はとてもフレンドリーなので、いろんな人が心を開いてくれる。どうしても雇われたカメラマンには気構えてしまうところがあるけど、彼はとても親密な写真を撮ってくれるので、そこもいいところだと思う」と続けた。
そんなトークショーもいよいよ終盤。最後のコメントを求められたソフィアは「わたしもアンドリューもスナップショットが大好きなの。実を言うと、1990年代に日本に来た時に見た、日本のスナップショットの写真集から多大なる影響を受けたんです。わたしの映画づくりは、日本の写真文化からの影響が色濃い。それは日本のスナップショットのおかげなの」と日本文化からの影響を語った。(取材・文:壬生智裕)
映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』は2月23日より全国公開
フォトブック「Andrew Durham Set Pictures Behind the Scenes with Sofia Coppola ソフィア・コッポラ監督20周年記念メモリアル・フォトブック」は2月2日より発売開始(税込み:2,700円)