地球の裏側からロボット越しの片思い…『きみへの距離、1万キロ』予告編
第74回ベネチア国際映画祭においてベネチア・デイズ部門フェデオラ賞を獲得した映画『きみへの距離、1万キロ』から予告編と本ビジュアルが公開され、遠く離れた地球の反対側から監視ロボットを通じて出会う男女の運命の恋物語の一端が明らかになった。
『魔女と呼ばれた少女』(2012)で第85回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたカナダの気鋭キム・グエンがメガホンをとった本作。いつでもどこでも世界の誰とでも繋がることが出来る日常がある一方で、未だ古い風習に囚われ自由な生き方さえ許されない文化も存在する。そういった対極にある現実を、グエン監督は恋愛という普遍的なテーマを通して描き出した。
この度公開された予告編は、石油パイプラインがある北アフリカの砂漠地帯を、遥か1万キロ離れたデトロイトから6本足の小さなクモ型ロボットで監視するオペレーターのゴードン(ジョー・コール)が、若くて美しい女性アユーシャ(リナ・エル=アラビ)を偶然見つけるところから始まる。望まない結婚を親から強要されていたアユーシャは、恋人と一緒にヨーロッパへ逃亡する計画を立てていたのだった。彼女を忘れようとするゴードンだったが、その後も悲しそうな顔をしている彼女を見つける。会社のルールを無視して思わず、ロボットを通して彼女に話しかけるゴードン。どうやら逃亡計画がうまくいってないらしい。彼女と恋人の幸せのために「君を助けたいんだ」と“地球の裏側”デトロイトから大胆な計画を立てるゴードンに対し、次第にアユーシャも心を開いていく。果たして2人がたどる運命とは。その行方が気になる予告編となっている。
デジタル機器やインターネットの普及によって、人との出会いやコミュニケーションの形も多種多様となった現代に誕生した本作は、デジタルネイティブと呼ばれるミレニアル世代を意識した純愛ドラマとも言えるだろう。(編集部・石神恵美子)
映画『きみへの距離、1万キロ』は4月7日より新宿シネマカリテほか全国順次公開