坂本龍一、ベルリン映画祭で審査員!政治的ではなく芸術的な視点で
第68回ベルリン国際映画祭
現地時間15日、第68回ベルリン国際映画祭でトム・ティクヴァ審査員長(ドイツ、監督・脚本家・映画音楽家・プロデューサー)はじめ審査員団が会見を行った。ほかの審査員は、セシル・ドゥ・フランス(ベルギー、女優)、チェマ・プラド(スペイン、写真家)、アデル・ロマンスキー(アメリカ、プロデューサー)、ステファニー・ザカレク(アメリカ、映画批評家)、坂本龍一(日本、作曲家)。
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ティクヴァ審査員長は、審査員一同で19本のコンペティション参加作から金熊賞、銀熊賞を決定していく過程を「皆で一つの意見を作り出していくのです」と表現。その一員として連なった坂本は「ここに招かれ、わくわくしています。19本の映画を楽しむ用意はできています。良い映画か否かを政治的な視点ではなく、芸術的な視点で審査したいと思います」と審査に臨む姿勢を語った。
ティクヴァ審査員長は『ラン・ローラ・ラン』で注目を浴びて以来、『パフューム ある人殺しの物語』など独自の世界を作り出してきた個性派監督。監督ばかりでなく、脚本から音楽まで手掛けるマルチな才能の持ち主だ。一方、坂本は恵まれたルックスを生かし、自身が音楽を担当した映画に俳優として出演することもあるが、基本は音楽家。アカデミー賞作曲賞を受賞した『ラストエンペラー』ほか映画でも音楽の分野で活躍している。
坂本はティクヴァ審査員長について「彼は映画を作ることと音楽を作ることの両方に才能があります。僕は作曲家としての職を失ってしまうかもしれません。彼一人で僕がやるようなことまで全部やってしまうのですから。フェアじゃないです(笑)」とジョークを交え、その才能をたたえた。
本映画祭では、坂本のニューヨークでのライブを記録したドキュメンタリー映画『坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK : async』(スティーヴン・ノムラ・シブル監督)もベルリナーレ・スペシャル部門で上映される。(取材・文:山口ゆかり / Yukri Yamaguchi)
第68回ベルリン国際映画祭は現地時間25日まで開催