ブラックパンサー俳優、役作りでDNAテスト?
マーベル/ディズニーの話題作『ブラックパンサー』(3月1日 日本公開)について、チャドウィック・ボーズマン、マイケル・B・ジョーダン、ルピタ・ニョンゴ、ライアン・クーグラー監督、そしてマーベル社の社長ケヴィン・ファイギが、2月21日(現地時間)、ニューヨークAMC Lowes 34th Street 14で語った。
本作は、国王とヒーローという二つの顔をもつ主人公の活躍を描いたアクション大作。超文明国ワカンダの若き国王ティ・チャラ(チャドウィック)は、漆黒のヒーロー・ブラックパンサーとして、祖国の秘密“ヴィブラニウム”を守ることを使命としていたが……。
本作の役作りについて、主演のチャドウィックは「アフリカ文化について記した書物やアフリカの哲学者の書物などを読んで、この役を演じるうえで影響を与えてくれそうなものをできる限り吸収したよ。これまでのような一般的な先祖を想像して演じることとは異なったアプローチをしたかったから、DNAのテストを受けて、自分の血筋も探ったんだ。俳優だけでなくスタッフたちも、それぞれのやり方で自分のルーツを探りながら、本作に参加していたよ」と入念な準備を明かした。もちろん、アクション大作でもあるため、身体的な準備もしっかりしたそうだ。
王位を狙うエリックを演じたマイケルは、撮影中の印象的な出来事について、「いつもライアン(・クーグラー監督)とのタッグでは、撮影の初日から参加するけれど、今回は(マイケルの)撮影初日、ティ・チャラとエリックが対峙した時、すでに他の俳優は2、3週間撮影していたんだ。まるで、学校の初日みたいに不安だったけれど、一方で、チャドウィックとは初共演だったから、興奮もしていたんだ」と語り、今作の役柄は自身にとって挑戦であったことも明かした。
ティ・チャラを支えるスパイのナキアを演じたルピタは、「彼女は地球の端々まで行って、世界の状況をワカンダに伝えながら、一方でワカンダが文明国のトップに君臨するために国を守ってもいるの。祖国に対して、国王とは異なった観点を持っていることが興味深かったわ」と語った。
子供の頃から、『X-MEN』に登場するストーム、エンジェルなどのクールな黒人キャラクターに影響を受けていたというクーグラー監督は、製作経緯について「『クリード チャンプを継ぐ男』の撮影を終えた頃、(マーベルの社長の)ケヴィンから電話があり、今作のコンセプトを話し合ったんだ。それは、今作を通して僕自身が疑問を持っていた、黒人のアイデンティティーやルーツを探索することだったよ。長年憧れていたスーパーヒーローを映画として描けるうえに、これまで共に仕事をしてきたマイケルら仲間たちと再び仕事ができることは、とても魅力的だったね」といくつかの要素が揃っていたことが決め手となったと説明した。
マーベルの社長・ケヴィンは、「『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を手掛けていた際に、登場するキャラクターのアイデアを膨らませていたんだ。『ブラックパンサー』も含めることを決めて、その2、3日後にはチャドウィックに出演依頼したよ。数か月後には、単独映画の製作も決めたんだ」と明かし、「『ブラックパンサー』には素晴らしいキャラクターが登場するが、そんな役を演じる俳優や映像を作り上げるスタッフが居たからこそ、マーベル映画として成り立たせることができたんだ」とキャストやスタッフに感謝を述べた。(取材・文・細木信宏/Nobhiro Hosoki)