急死した大杉漣さん出演作、ベルリンで上映…黒沢清監督ショック隠せず
第68回ベルリン国際映画祭
現地時間21日、第68回ベルリン国際映画祭パノラマ部門スペシャルとして選出されている『予兆 散歩する侵略者 劇場版』の黒沢清監督が会見を行った。同日は、本作に出演している大杉漣さんの訃報が伝えられた日でもあった。
黒沢監督は本作について「『散歩する侵略者』という映画を撮影する少し前に、スピンオフという形で、設定は同じだけれども物語は全然違うものをテレビドラマとしてやりたいというお話を受けて、『散歩する侵略者』が完成した直後からテレビドラマの制作が始まりました。それができた後は、映画としても完成させようということで、今回の映画版となりました」と説明。
宇宙人が侵略してくるのは共通している両作だが、ストーリーもテイストも違ったものに仕上げたという。夫婦役の夏帆と染谷将太、そして侵略者役の東出昌大というメインキャストをしっかりと支える脇役の一人が大杉さんだ。侵略者に対応するチームの長として安定感のある演技を見せているだけに、突然の訃報がにわかには信じがたい。
黒沢監督は「海外の方はちょっとわかりづらいと思うのですが、北野武さんの映画によく出ている日本で大人気の俳優で、僕の映画にも30年以上前からよく出てくれた仲のいい俳優ですが、ついさっき、亡くなったと聞き、正直ショックを受けています。他にもたくさん出ていますのでそうでないのはわかっているのですが、『予兆 散歩する侵略者』が大杉漣さんの代表作として僕の記憶に強く残り続けるであろうとだけ言っておきます」とコメントした。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)
第68回ベルリン国際映画祭は現地時間25日まで開催