阿部寛、歌舞伎さながらの口上披露!
俳優の阿部寛が2日、都内で行われた映画『のみとり侍』大江戸プレミアに登壇し、歌舞伎さながらの口上を披露して会場を沸かせた。この日は、寺島しのぶ、豊川悦司、斎藤工、風間杜夫、大竹しのぶ、前田敦子、松重豊、鶴橋康夫監督も来場した。
本作は、小松重男の時代小説「蚤とり侍」の実写映画化。エリート藩士から客の飼い猫の蚤を取るサービス業に左遷された小林寛之進(阿部)だが、その実態はお客様に愛をご奉仕する添寝業だった。そんな裏稼業に生きる男が、本物の愛と人情に出会っていくさまを描く。
定式幕が引かれると、紋付き袴姿で頭を下げた阿部が板づいており、顔を上げると客席からは「おー!」と驚きの声が。そんな中、阿部が緊張のせいか少し声を上ずらせながら「阿部寛にござりまする」とあいさつすると、笑い声も混じった盛大な拍手が会場に響いた。
続けて、本作の見どころなどを述べると、「阿部屋!」「傑作時代劇!」などの大向こうも飛び交った。さらに、口上の中には「わたしのせいで、この作品、R15の指定を受けました」と自虐的な発言もあり、会場は大いに盛り上がった。
その後、キャストらと再登壇した阿部は「疲れました」と言いつつ、「こういう経験はもう一生ないと思って、楽しんでやらせてもらいました」と爽快な笑みをこぼす。「鶴橋監督の作品に出るということは、僕にとって大変なことですので、お話をいただいた時には二つ返事で受けられないほどのプレッシャーがあった」と本作に込めた思いも吐露した。しかし、本作を通して、寛之進同様に「人の心の温かさを知ることができました」と喜ぶ阿部は、「監督はこの作品(の映画化)を40年以上考えたと言っていますが、その作品で寛之進をやることができて光栄です」と感無量の表情を見せていた。(取材:錦怜那)
映画『のみとり侍』は5月18日より全国公開