松坂桃李、濡れ場上映後の挨拶に照れ「ある種のプレイ」
俳優の松坂桃李が7日、TOHOシネマズ日比谷で行われた映画『娼年』公開記念舞台あいさつに来場、体当たり演技だった映画を観たばかりの観客の前に立ち、「ある種のプレイ」と笑ってみせた。
直木賞候補にもなった作家・石田衣良の同名小説を、舞台版でもタッグを組んだ三浦大輔監督と松坂のコンビで映画化した衝撃作。退屈な生活を送っていた主人公リョウが、娼夫となり、成長していく過程を描く。松坂をはじめ、キャスト陣の全裸も辞さない体当たり演技も話題を集めている。
映画を鑑賞したばかりの満員の観客の前に立った松坂は「上映後なんですね……」としみじみ切り出すと、「僕はけっこう、この舞台あいさつは上映前がいいと言ってきたんですけど、上映後なんですね。しかも新しくできたばかりのこの劇場のこの大きなスクリーンでご覧になった皆さんの前に服を着て出るというのは、ある種のプレイのようにも思えて。ありがとうございます」とあいさつし、会場からはクスクス笑いが。中には「イヤーン」という声も飛び出すなど、なんともいえない不思議な空気感が会場を包み込んだ。
一方の三浦監督は「今をときめく松坂桃李くんを、ここまでやらせた諸悪の根源は僕にあります。女優さんたちもここまで体を張ってがんばってくれました。なので、責任は僕にあります。だから多くの人に見てもらいたいと思います」と続け、会場を沸かせた。
さらに「舞台から2年くらいやってきたけど、(今回の映画公開で)やっと『娼年』から解放されますね」と続けた三浦監督に、松坂も「やっぱり舞台が終わっても、次は映画版があるというのはずっと頭の片隅にあったので、どの作品をやっても『娼年』の映画が迫ってくるなと感じていました」と続けた。三浦監督も「ずっと松坂君と共犯関係を結びながらも、今日で完結できるなと思っていました」と晴れやかな顔を見せた。
そしてあらためて映画を見終わった後の観客のまなざしを「僕は一種のプレイだと思っていますよ。いたたまれない感じです」と笑った松坂。共演者の猪塚健太の「だって皆さん、このスーツを着ていない状態を完全に想像できますからね」という言葉にも「完全に想像できますよ。鮮明に」と付け加えるなど、終始照れくさそうな表情を見せつつも、どこか誇らしげな顔を見せる松坂であった。(取材・文:壬生智裕)
映画『娼年』は全国公開中