阿部寛と山村紅葉の濡れ場に撮影所が騒然!
俳優の阿部寛が18日、都内で行われた主演映画『のみとり侍』(公開中)の初日舞台あいさつに登壇し、山村紅葉との濡れ場シーンにつま先が伸びきるほど緊張したことを明かした。舞台あいさつには寺島しのぶ、豊川悦司、斎藤工、松重豊、鶴橋康夫監督も参加した。
本作は小松重男の時代小説「蚤とり侍」の実写映画化。エリート侍から客の飼い猫の蚤を取るサービス業に左遷された小林寛之進(阿部)だが、その実態は、お客様に愛をご奉仕する添寝業だった。そんな裏稼業に生きる男が、本物の愛と人情に出会っていくさまを描く。
上映後の観客の前に登場した阿部は、本作がR15+指定(15歳以上鑑賞可能)ということもあり「大丈夫でしたか? かなりきわどいシーンも出てきましたけど」と気遣うも、「でも、皆さん笑顔なので笑える作品に仕上がったんだなと思っています」と安堵の表情。斎藤は、身長185センチ以上という阿部、豊川、松重に視線を向け「上背だけじゃなく、役者の大先輩としても指針となる方々なので(共演は)幸せでした」と喜ぶと、「阿部さんは役柄の心情によって自在に身長をコントロールできるんじゃないかな。小柄に見える時がありました」とも話し、会場の笑いを誘った。
その後、印象的なシーンを尋ねられると、阿部は「一番緊張したシーンは山村紅葉さんのところ」と寛之進と山村演じる女性客との濡れ場シーンを挙げ、「つま先までピーンと伸びきって(しまうほど緊張して)」と回顧。さらに、「あそこは、芝居を忘れているような……」とぶっちゃけ、思わず「すいません」と謝罪する場面も。台本を読んだ当初は、あまりにも個性的なキャラクターのため「これは誰がやられるんだろう」と考えたが、「紅葉さんと聞いて、もう思いっきりやってください」と思ったという。そして、その要望を超える思い切りの良さに面食らい、緊張したようだ。
その余波は大きく、寺島は京都の撮影所に行った際、2日前に行われた山村の撮影について「京都のスタッフが騒然としていて、『本当にすごかった』とずっと話題になっていた」と告白。すると豊川も「撮影所全体が騒然となっていて、火事でもあったのかなと思うほどでしたが、スタッフがあれだけ喜んだシーンは体験したことがなかったので、このシーンの面白さはずば抜けているんだろうなと思いました」としみじみ。また、「あそこに阿部寛という俳優の役者魂を見た感じがします。何でもできちゃうんだな」と称賛した。
スタッフ・キャストが体当たりで作り上げた本作。鶴橋監督は「ありがとうだけです。本当に(キャスト陣は)誇りです。これが遺作になってもいいと思っている」と大満足しながらも、「しかし、企画書は彼ら(キャスト)のために書き始めています。またよろしくお願いします」とさらなる映画作りに意欲を見せていた。(取材:錦怜那)