青山剛昌ら『名探偵コナン』で藤本賞受賞に喜び
優れた業績を残した映画製作者をたたえる「藤本賞」の第37回授賞式が31日に都内で行われ、映画『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』の原作者である青山剛昌が喜びを語った。この日は、同作プロデューサーの近藤秀峰、米倉功人、石山桂一、『銀魂』プロデューサーの松橋真三、『君の膵臓をたべたい』プロデューサーの春名慶と臼井央も出席した。
『名探偵コナン』青山剛昌ら出席!第37回「藤本賞」授賞式【写真】
同賞は、映画製作に生涯をささげ、『青い山脈』『浮雲』などの傑作をはじめ269作品を製作したプロデューサー・藤本真澄氏の功績を称えて1981年に設立された。毎年、著しい功績をもたらした映画プロデューサーを中心に表彰が行われる。今年は、最終興行収入68億9,000万円を記録し、2017年度の興収で邦画のトップに輝いた『から紅の恋歌』から、原作の青山、プロデューサーの近藤(小学館)、米倉(読売テレビ)、石山(トムスエンタテインメント)の4名が受賞した。
壇上に立った青山は「藤本賞というのは、映画界における沢村賞だと聞きました」と切り出すと、「巨人ファンであり、野球ファンである僕はとてもうれしいです。巨人の連敗も昨日、止まりましたので」とちゃめっ気たっぷりに喜びを語り、「この賞に値するようにこれからもがんばっていきたいと思います」と締めくくった。
続いて、近藤は「20作目となる『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』は、それまでとは次元の違うヒットを飛ばしました。この盛り上がりをこれからのコナンにどう続けていくかが課題だと思っていました」と述懐。そのとき打ち出したのが「原点回帰」だったことを明かし、「殺人ラブコメでもあるコナンの本質を伝えていくためにがんばろうということで、脚本を大倉崇裕先生に書いてもらいました。その脚本に青山先生が丁寧にラブコメ要素を加えていただき、静野孔文監督がアクションで盛り上げるというバランスのとれた作品になりました」と語った。
米倉は「『から紅の恋歌』は21作目となりましたが、21年前、当時のプロデューサーがスタートするときから大変な思いをしてコナンを育てていきました。読売テレビに所属していて、第1弾から関わっている諏訪道彦大先輩に感謝したい」とコナンの名物プロデューサーへの謝辞を述べた。最後に、石山は「僕も20年以上やってきて、原点回帰して新たに挑戦しようということがありました。次作の『名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)』は新しい挑戦で作った作品で、好評をいただいているんですが、これに甘んじずコナンをもっといいものにしたいと思うので、応援よろしくお願いします」と会場に呼びかけた。
なお、『ゼロの執行人』(公開中)は先週末時点で動員580万540人、興収75億6,906万5,200円を記録しており、前作をはるかに超えてシリーズ歴代興収ナンバーワンを更新中だ。この記録がどこまで伸びるかにも注目される。(取材・文:壬生智裕)
■第37回「藤本賞」の受賞者は以下の通り
藤本賞:青山剛昌(『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』の製作に対して)
藤本賞:近藤秀峰(『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』の製作に対して)
藤本賞:米倉功人(『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』の製作に対して)
藤本賞:石山桂一(『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』の製作に対して)
藤本賞・特別賞:松橋真三(『銀魂』の製作に対して)
藤本賞・奨励賞:春名慶(『君の膵臓をたべたい』の監督に対して)
藤本賞・奨励賞:臼井央(『君の膵臓をたべたい』の監督に対して)