ホイットニーさん、公認ドキュメンタリーが完成!義理の妹が思い出を語る
2012年に亡くなった世界的な歌手ホイットニー・ヒューストンさんのドキュメンタリー映画『ホイットニー(原題) / Whitney』が完成し、彼女の義理の妹で、元マネージャーでもあったパトリシア・ヒューストンが、6月28日(現地時間)、ニューヨークのAOL開催イベントで語った。
本作は、ホイットニーさんの遺産管理団体、全面協力のもと手掛けられたドキュメンタリーで、ホームビデオの映像や未発表の音源など、ホイットニーさんが家族に見せていた姿を捉えながら、彼女の波乱万丈の人生を描いている。映画『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』のケヴィン・マクドナルドが監督を務めた。
彼女の死から6年、なぜ今ドキュメンタリーを製作しようと思ったのだろうか。「すでにLifetimeのテレビ映画『ホイットニー(原題)/ Whitney』(2015年)でもホイットニーのストーリーが描かれているけれど、あれは(勝手な)憶測で描かれていたの。だから、今こそドキュメンタリーを公開するタイミングだと思ったのよ」とパトリシア。これまでホイットニーさんについて描かれた作品の中で、今作が初めて彼女の遺産管理団体が許可した作品となっている。
義理の妹であるパトリシアが、ホイットニーさんに出会ったのは1992年。彼女がラスベガスでパフォーマンスをしているときだったという。彼女の異母兄であるゲイリー・ガーランドとは結婚して24年になるそうだが、結構当初は違う州に住んでいたこともあり、あまり接点がなかったそうだ。「子供ができた後、(ホイットニーの出身地である)ニュージャージー州に住むようになったの。バスケットボール選手である夫ゲイリーが遠征で試合に行っている間に、頻繁にホイットニーに会うようになったわ」。
ホイットニーさんとの思い出を聞かれると、「たくさんありすぎるけれど、わたしの誕生日には、どんなに忙しくても電話をくれて、(家族の中で)いつも最初に『ハッピーバースデー、パット(パトリシア)!』と言ってくれたのよ。わたしたちの結婚記念日もそうだったわ。あるとき、わたしたち夫婦は結婚記念日の旅行に行く予定を(二人きりなりたかったため)彼女に告げなかったことがあったの。彼女はとても怒っていたわ。いつも自分の休暇で旅行に行くときは、家族を連れて行っていたから、いつものように(家族である)わたしたちの旅行にも参加したかったのよ。そんなことが、今では思い出深いわ」と振り返った。
ホイットニーさんのマネージャーになったきっかけは、2000年、ホイットニーさんが大麻所持で拘束されたことだそうだ。「彼女が、裁判がどうなっているのかをわたしに聞いてきたの。最初は『なぜ、そんなことわたしに聞くの?』と思ったわ。すると、彼女から『この事件がどうなっているのか、父から聞き出してほしい』と言われたの」。当時、ホイットニーさんの父親ジョン・ラッセル・ヒューストンさんは、彼女の夫ボビー・ブラウンのことでホイットニーさんとけんかをしていた時期だったが、彼女を助けるために動いていたそうだ。
「こうして、この事件に関わり始めたのだけど、そのとき彼女がわたしに『マネージャーにならない?』と聞いてきたの。わたしは、あまり気が進まなかったけれど、最終的にやることになったわ。その頃の彼女は、音楽界の象徴的な存在で、自分がやりたいことは全てやってきた感じだった。だから、彼女がわたしに電話をかけてきたときは、おそらくマネージャー以上の人が、側にいてほしかったのだと思うわ」。ホイットニーさんがさまざまな問題で苦痛を感じていたとき、パトリシアはその苦痛を和らげるような存在だったようだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)