主要キャストは全員アジア系!『クレイジー・リッチ!』が首位
全米ボックスオフィス考
先週末(8月17日~8月19日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、出演者をアジア系でそろえたワーナー・ブラザースのロマンチックコメディー映画『クレイジー・リッチ!』が興行収入2,651万140ドル(約29億円)というスマッシュヒットを飛ばして初登場1位に輝いた。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル110円計算)
アジア系キャストで固めたハリウッドスタジオの映画は、『ジョイ・ラック・クラブ』(1993)以来実に25年ぶり。黒人キャストでそろえた『ブラックパンサー』に続き、大成功を収めることになった。The Hollywood Reporter によると、サンフランシスコのベイエリアやニューヨーク&ロサンゼルスの都市圏といったアジア系が多く住むエリアで特に成績が良く、通常の映画でのアジア系鑑賞者の割合は8~10%ながら、本作では40%近くをアジア系が占めたという。
ケヴィン・クワンのベストセラー小説を原作に、ニューヨークで働く主人公(コンスタンス・ウー)が恋人(ヘンリー・ゴールディング)と一緒に彼の故郷シンガポールを訪れたところ、彼がアジア屈指の不動産王の御曹司だと判明したことから巻き起こるドタバタを描いた本作。批評家からも絶賛で迎えられており、ロマンチックコメディー映画としても近年稀にみるヒットとなった。 ドウェイン・ジョンソンやクリス・プラットといったスターたちも本作を絶賛している。メガホンを取ったのは、『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』のジョン・M・チュウ監督。
ほかの初登場組は『クレイジー・リッチ!』ほどの輝かしい成績を収めることはできず、マーク・ウォールバーグ主演のR指定アクション『マイル 22(原題) / Mile 22』が興収1,371万825ドル(約15億円)で3位、先史時代を舞台にしたアドベンチャー『アルファ(原題) / Alpha』が興収1,035万2,512ドル(約11億円)で5位だった。
また、11館で限定公開されたケヴィン・スペイシーら出演の『ビリオネア・ボーイズ・クラブ』は公開3日で618ドル(約6万7,980円)しか上げられないという残念な結果になった。7月にすでにVOD(ビデオ・オン・デマンド)で鑑賞可能になっていたことに加え、ケヴィンのセクハラ騒動も悪い影響を与えたようだ。
今週末は、R指定パペット映画『ザ・ハッピータイム・マーダーズ(原題) / The Happytime Murders』などが公開される。(編集部・市川遥)
8月17日~8月19日の全米ボックスオフィスランキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(初)『クレイジー・リッチ!』
2(1)『MEG ザ・モンスター』
3(初)『マイル 22(原題) / Mile 22』
4(2)『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』
5(初)『アルファ(原題) / Alpha』
6(3)『プーと大人になった僕』
7(5)『ブラッククランズマン(原題) / Blackkklansman』
8(4)『スレンダー・マン(原題)/ Slender Man』
9(9)『モンスター・ホテル クルーズ船の恋は危険がいっぱい?!』
10(7)『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』