無口な青年が向かう先は…ベネチア映画祭、ジェフ・ゴールドブラム出演作に喝采
第75回ベネチア国際映画祭
現地時間30日、イタリアで開催中の第75回ベネチア国際映画祭で、『レディ・プレイヤー1』のタイ・シェリダン、『ジュラシック・パーク』シリーズのジェフ・ゴールドブラムが出演している映画『ザ・マウンテン(原題) / The Mountain』の公式上映が行われ、観客から約2分間にも及ぶ拍手が送られた。
父と2人で暮らしていた無口で無表情な青年(タイ)が、ロボトミー手術やショック療法を行う医者(ジェフ)に、彼の患者を撮影するカメラマンとして付き添い、その先で様々な人たちと出会う本作。映像作家のリック・アルヴァーソンがメガホンを取り、独特の世界観を作り上げている。
ベネチア映画祭のメインシアターで行われた同作の上映には多くの観客が訪れ、会場は満席状態。注目度の高さがうかがえたが、ストーリーの説明がはぶかれた少し難解な内容、全体的に静かでありながら時に気味の悪さを感じる描写に途中で席を立つ人の姿もあった。
しかし、映画が終わってエンドロールが流れ始めると、ラストシーンを息をのんで観ていたからなのか、少しの沈黙の後、観客からは惜しみない拍手が。
鳴り止まない拍手と歓声の中でジェフとアルヴァーソン監督はかたい握手を交わし、主演を務めたタイ、あるカルト宗教の教祖(ドニ・ラヴァン)の娘役としてタイとともに観客をひきつける演技を見せた女優のハンナ・グロスも笑顔で拍手に応えていた。(編集部・海江田宗)