『ターザン』イケメン俳優がハゲ頭のおじさんに!
第43回トロント国際映画祭
第43回トロント国際映画祭で映画『ザ・ハミングバード・プロジェクト(原題) / The Hummingbird Project』の上映が行われ、いとこ同士を演じたジェシー・アイゼンバーグ&アレキサンダー・スカルスガルド、監督のキム・グエン(『魔女と呼ばれた少女』)らがQ&Aに登壇した。
本作は、株式取引を有利にする“高速情報伝達”を可能にする光ケーブルをカンザスからニューヨークまで引くことで、一攫千金を夢見るいとこコンビ、ヴィンセントとアントンの悲喜劇。口達者なヴィンセントには『ソーシャル・ネットワーク』のジェシー、人付き合いは苦手だがコンピューターのコードを書くことに関しては天才的なアントンに『ターザン:REBORN』のアレキサンダーがふんしており、二人の掛け合いが作品の大きな魅力になっている。
変わり者のアントンはハゲ頭で、アレキサンダーは見た目も性格も作り込んでこれまでのイメージを覆している。化学者の友達を役づくりの参考にしたといい、「彼はアントンほどではないけどとても独特な人で、頭が良くない人と話すとイライラしてきて、指を鳴らしたりするんだ。でも優しい心を持っている。アントンも人々に退屈させられている。彼にしてみれば、皆バカだから。彼は社交の会話なんてしたくなくて、ただコーディングのことを話したいんだよ」とコメント。つるつる頭のグエン監督は「髪は僕がモデルだよ」とすかさず付け加えて笑いを誘った。
一方、本作でも軽妙な早口の長ゼリフで観客を魅了するジェシーだが、「ここ10年自分の出た映画は観ていない。撮影を終えた後もこうすればよかったと考えるから、恥ずかしい」と告白。しかし、グエン監督は「ものすごく早くしゃべるのに、人が一言一句ちゃんと聞き取れるようにできるのが素晴らしい。どうしてそんなことができるのかわからない」と称賛し、撮影初日に急きょ2週間後に予定していたシーンも撮ることになった際、全てを暗記しているジェシーは脚本を見直す必要もなかったというエピソードも明かして(「感銘を受けた。そんな人初めてだった」)、ジェシーを照れさせていた。(編集部・市川遥)
第43回トロント国際映画祭は現地時間16日まで開催