『ザ・プレデター』監督が込めた80年代アクションへの思い
9月14日に公開を迎える映画『ザ・プレデター』のシェーン・ブラック監督が、伝説的SFシリーズの新作に込めた思いを語った。またブラック監督が、“アップグレード”されたプレデターについて語りつくし、「この1本にあらゆるジャンルの魅力を詰め込んだ」と自信の表情を見せる特別映像も公開された。
アーノルド・シュワルツェネッガー主演の1作目は1987年に公開。南米のジャングルで、屈強な特殊部隊員たちと、宇宙の狩人プレデターの血で血を争う戦いが描かれ、現在もファンから熱烈な支持を得ている。『アイアンマン3』(2013)の監督としても知られるブラック監督は当時、役者として同作に出演。プレデターの最初の餌食となる兵士ホーキンスを演じた。
制作を間近で見た1作目について、ブラック監督は『ランボー』(1982)などを生んだ1980年代の象徴だと主張する。「出てくるのは筋肉モリモリの男たちで、非現実的な武器を抱えている。まさに80年代にふさわしかった。80年代のアクション映画とは、というものを表すような作品だ」
シリーズの正統な続編となる『ザ・プレデター』で目指したのも、1作目のような雰囲気だったといい「あれに完全に匹敵するのは、無理。でも、似たようなものを追求することはできる。あれと同じ楽しさを持つものを作ることはできると思うんだ。僕はポップアートを作りたかった。ただのメジャースタジオの映画でもない、CGのオンパレードでもないものを」と語る。
「今はCGを使いすぎると僕は思う。そうなったせいで、どれも似たようになり、驚きがなくなってしまった。エイリアンとプレデターが大挙して押し寄せて来ても、怖くない。本物じゃないとわかっているからさ」
さらにブラック監督は、今や映画ファンで知らない者はいないであろう、プレデターのビジュアルにも言及し「プレデターの顔を見せるだけで怖がらせることは、もはやできない」と断言。「なぜプレデターが怖いのか?」その原点に立ち返り、観客に「そうだ。僕らはプレデターをギャグのネタみたいに思っていたけれど、実はこいつは気味が悪い奴だったんだ」と思い出させることを目標にしたと語っており、本作が『プレデター』を知らない観客には1作目のような恐怖を、ファンには当時の思い出が蘇る一本になっていることを期待させる。(編集部・入倉功一)