「午前十時の映画祭」来年の第10回で終了 経費の負担大きく
映画史に残る世界の名作を上映してきた「午前十時の映画祭」が、2019年4月にスタートする第10回「午前十時の映画祭10-FINAL」をもって終了することが、1日に発表となった。
「午前十時の映画祭」(主催:川喜多記念映画文化財団、映画演劇文化協会)は、新たな映画ファンの育成を目指して、2010年2月に全国25館でスタート。傑作の数々を低料金で観られることもあって着実にファンを増やし、現在も全国58館で第9回(~2019年3月28日)が開催されている。
2013年には上映素材がフィルムからデジタルに切り替わるなど、環境の変化にも対応してきた。しかし、通常の新作映画と異なり、主催者側が負担してきた宣伝費や、デジタル映写機器を提供するサービス会社に支払うVPF(ヴァーチャル・プリント・フィー)など、諸経費の負担が当初の想定以上に増加。これ以上の継続が難しい状況になったという。
これにより映画祭は、10回目を一区切りとして、いったん終了。この日にオープンしたオフィシャルサイトでは、ファンからの最後のリクエストを受け付けるほか、9年間に上映された、またこれから上映される全223作品をリスト化。また、これまで映画祭に寄せられたリクエスト作品の数々(一部抜粋)も掲載されるという。(編集部・入倉功一)
「午前十時の映画祭9 デジタルで甦る永遠の名作」は2019年3月28日までTOHOシネマズ日本橋ほか全国58劇場で開催中